『山あり谷あり④』
もう、へとへとでした。
短時間にあまりにも緊張の場面の連続で、とても神経がもちません。
もちろん、すべて自分の意思でやったことではあるのですが・・・
とぼとぼ細道を戻りながら、
(ふうう)
半ば、気持ちが燃え尽きていました。
これから実家まで、また長距離運転が待っています。
それを思うと憂鬱でした。
お風呂のおじいちゃんたちとK男くん・・・
そして中学生の男の子たち・・・
いろいろ興奮させてもらって、それなりに満足感はあります。
それでも、
(惜しかった)
さっきのシチュエーションは、本当にもったいなかった・・・
逃がしてしまった男の子たちに未練を残しつつ、あのとき上手に振る舞えなかったことを後悔していました。
(オナニーしたいな)
(ここでしちゃうか)
さすがにそれは無理ですが、今日2回目の強烈なうずうずです。
(疲れちゃったな)
車が見えるところまでやって来ました。
・・・と、
その先には、原付スクーターが見えます。
さっき4台あったもののうち、1台だけがそのまま残っていました。
(やば)
一瞬にして緊張感が走ります。
警戒心がよみがえっていました。
(いるの?)
あの不良ぶった子たち・・・
まだこのあたりに潜んでいるのでしょうか。
(いた)
気の弱そうなあの男の子でした。
ちょっと離れた切り株(?)のようなところに腰かけて、なんだかうなだれています。
周りを見渡しました。
やはり、他のスクーターは見当たりません。
女の子たちの姿はありませんでした。
彼の様子を見て、
(女の子たちと何かあったな)
なんとなく、そう察している自分がいます。
でも、何があったのかなんて興味はありませんでした。
男の子が、『はっ』とこっちを向いています。
私に気づいたようでした。
もう私自身も思考能力が落ちていたのでしょうか。
理性のハードルが低くなっているのを、自分でも感じていました。
まったく躊躇いはありません。
(だいじょうぶ)
(他に誰もいない)
車の前を通りすぎて、そのまま彼のもとへと近づいていきました。
また何か注意されるとでも思ったのでしょうか。
メガネの奥の彼の目が、おどおどと私を見上げています。
「ねえ、あの女の子たちは?」
私の問いかけに、
「帰りました」
萎縮したような声で返事をする男の子・・・
瞬間的にイメージが膨らんでいました。
心の中で、邪な『黒い雲』が湧きあがります。
「何かあったの?」
彼にも何かしらのプライドがあるのでしょう。
答えあぐねていますが・・・
正直、私の知ったことではありませんでした。
(そんなんだから)
(あの子たちになめられてんだよ)
それ以上、もう余計なことは言いません。
トートバッグを足もとに置きました。
不思議なもので、
(よわむし男・・・)
感覚的に、なぜか大丈夫だという確信を掴んでいます。
彼の言葉を待つまでもなく・・・
気づかれないよう、そっとスカートのホックに指をかけていました。
(どきどきどき)
・・・が、
やっぱり、ぎりぎりのところで思いとどまります。
「タバコなんか吸っちゃだめだよ」
「あの子たちにも言っておいて」
そう彼に言い放って、再びトートを持ちました。
そのまま、未練を断ち切る私・・・
まっすぐ自分の車に戻ります。
(さよなら)
エンジンをかけて、ゆっくりと走り出しました。
バックミラーの中で、少しずつ男の子の姿が小さくなっていきます。
(ちゃんと運転しなきゃ)
頭の中を空っぽにして、帰途につく私でした。
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