過去に某所で書いた日記です。
学生から羽ばたく直前に
誘ったのはあたし
虜になった男
いつしかそれを上回るように私が虜になった
最初のキスは研修帰りの資料室で
照明を落としたドアノブに偶然重なった右手が
一拍の間を置き私の顔を包み
襲われるように唇を吸われた。
吸われた唇からは涎が噴きだし
もう一方の手がリクルートスーツの腰を引き寄せ
ただそれだけでエクスタシーを感じた。
繰り返した子供のキスとは明らかに違った。
誘った私に間違いはなかったと自信を持った。
幾月流れて振り返れば私が虜になった。
幾年流れて男は私に
正確に言えば私の身体に夢中になった。
十幾年して何度も重ねた別れと再会に終止符を打った。
数日前の凍るような真冬の夜に
タクシーの中、互いに酒臭い吐息と指を絡め
コートの裾が乱れれば
赤いガーターベルトと黒い網タイツが吊られ
自分で見ても目がいたくなるほど白い太ももが露わになった。
大きな交差点の信号待ちで隙を作ると
何年かぶりに、唇を、おそわれた。
心臓が暴れて壊れる寸前の
或る公園の前で運転手に車を止めて待つように伝え
公衆トイレの狭い個室の温度を変えた。
コートの中の身体は既に熱く溢れているのは知っていた。
唇を吸い合いながらそれを分け入るようにめりめりと潜り込み
疑似の生殖行為の終焉には痙攣しながら
その硬い生殖器の脈を繰り返しながら
本格的に唇を犯し、口の中に粘り気のある濃い精液を放出した。
何食わぬ顔でタクシーに戻るとメーターの料金が跳ね上がり
私の・・・たぶん、その男も心のメーターも跳ね上がっていた。
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