2009/06/12 17:54:30
(nnyYx2..)
(まさきさんからの 「いろは」 転送しますね)
『ともよのいろは』
~保育士編~
■□■□■□■□
・・・・・・!
ともよはイラついていた。
朝から晩まで子どもたちの面倒をみている。
先生、だっこ~!
先生、うんち~!
〇〇くんが私のおもちゃをとった~!
阿鼻叫喚、怒号と罵声、アルミ缶とスチール缶のオーケストラ。
巨大な磁石で身の回りにある音をすべて選別して空っぽな玩具箱に放り込んで
貰えたらいいのに…。
慌ただしく時間は過ぎて、子どもたちを見送る。
自分の笑顔の意味はなんだろうか?
ふと考えて、やめた。
今日はコンパなのだ。
■
コンパは好きじゃない。
けど、誘われると断れない。
なのに、クジ運が良いかと聞かれれば、「そうでもない。」
いつも、間の抜けた男が糸の先にくっついている。
(この糸を街に放り投げたら、可愛い女が釣れるのかしら?)
高層ビルの上から街を見下ろす空想の中のともよは、そこで可愛い女を釣り上
げてレズプレイでもしてやろうかと企てる。
けど、実感が湧かない。だって、女の人には興味ないもの。
■
合コンの会場は暗さと明るさの割合が7:3、「近頃はこんな店が増えたな
ぁ…。」とぼんやりと考えていたら、後ろから声を掛けられた。
「とぉもぉよっ!!」
ひろみだ。
ひろみは「中学校からの同級生で、私の親友。」いつからか兄弟のような親
友、いや・・・戦友?のような感じもする。
■
向かいの席に並んだ男は皆一様に、爽やかな笑顔を振りまいている。
「この人たちの笑顔の意味を知っている。」と、ともよは思う。
(また今日も、お持ち帰りをせがまれて、そいつをあしらって終電に…。)
繰り返し味わった光景にパブロフの犬よろしく、気持ちが萎えそうにな
る…。
しかし!
が、しかしである。
今夜のともよは何かが違っていた。何かを変えていた。
――― keep smiling 。
どこかで聞いた言葉が、脳裏をよぎってそのまま居座る。
そんな時は、その言葉に従ってみる。
(今夜の私、なんか変。)
そう思った瞬間に、ひろみが「楽しそうね。」と意外そうな顔で呟く。
周りの笑顔たちも続けて口にする。
「よかったー!楽しんでねー!」
(そうなんだ。私、楽しそうなんだ。)
■
(本当に楽しかった・・・。)
ひとりぼんやりと考えていると、ひろみがニコニコした顔で話し掛ける。
「ともよ~!アタシ、今日はここでバイバイね~!」
こんなひろみはまず間違なくお持ち帰りされる。ほら、爽やかスマイルと腕を
組んで、タクシーに乗り込んでいく。
(アタシも乗せろ!)
意味不明な悪態を吐いてみたが、意味はなかった。だって、意味不明なんだも
ん。
(今日は楽しかったんだけどなぁ・・・。)
数人の男に声を掛けられたが、何か物足りなさを覚えて帰宅の途についた。
■
電車の中。
さっきからなんだか怪しい、この非日常感はなんだろう。
お尻のあたりをまさぐる何か。それが自らの鞄や、車内の椅子などでない事は
明らかで、それを人の手だと判断したのは、ゴツゴツとした節のある指が見え
たからだ。
いやらしいとも感じないが、なぜだか拒否感も生まれない。
頬が赤いのもお酒のせいで、身動きがとれないのも誰かのせい。満員電車のせ
い。
男の手は、下着にまで触れ始めた。生暖かい中指の感触が分かる。どこで分か
るかって・・・。
それは自分の秘部に決まっている。
男に魅力を感じずに、けれどもそれなりに楽しかったコンパ、そんなバランス
で少しだけ高揚した体をこの指の主は嗅ぎ分けたんだろうか?
体が震える。
小刻みに。
恐怖もある。
確かに。
しかし、しかし、・・・体には少しずつだが蓄積される快感がある。
男が中指の腹で撫でているのは、クリトリス・・・。
コンプレックスなクリトリスだ。
いつからか、性器の外側に露出しぷっくりと顔を出した恥ずかしい淫
核・・・。
その存在だけで、生まれつきの辱めを受けているような気持ちになる。
なんども捏ねくり回される自らの淫核に伝わってくるのは、男が妄想の中で描
く数分後の自分だ。
(あと一駅で降りられる・・・っ。)
そう堪えながら、ともよは出口そばの手摺に掴まっていた。もしや、電車の揺
れでもあれば、体ごと逃れられるかも知れないのに。
■
男は考えている。
この次の指の運びを。
それはもちろん、この女の下着の中に手を忍ばせることだ。
指先を少し前へと送り込む。中指と人差し指を、まるでカギヅメのように下着
へと絡め秘部を露にする。
先ほどから、今までに触ったことがないほどに大きなクリトリスをしたこの女
の、ついには秘部に到達する。
指を肌に当てる。毛は薄い。仄かに温まった車内より、さらに熱いその奥まっ
た淫部をこじあけて、指が触れる。
すかさず、そのさらに奥に挿入した瞬間―――。
■
「っあ・・・。」
卑猥な産声が小さく上がり、車内アナウンスとドアの開く音にかき消された瞬
間。ともよはひとごみに任せてゴツゴツとした節のある手から逃げ出せた。
■
帰り道も「怖かった・・・。」ドアを締めた瞬間に口からは言葉が漏れる。
都内のマンション。
28歳の保育士が住むには余りにも広すぎる部屋。ここには両親や兄弟は居な
い。
壁にかけた家族写真が、ともよを出迎えたが今夜の体は「ただいま。」を忘れ
てしまっている。
あの“高揚感”の続きが、まだ・・・残っている・・・。
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いかがでしたか?
『ともよのいろは』は、ともよさんがもし別の人生を歩んでいたら・・・と考
えて生まれた文章です。
気分転換にお読みいただけたなら、幸いです(^-^)
まさき