(まさきさんからの 「いろは」 転送しますね)『ともよのいろは』 ~保育士編~ ■□■□■□■□ ・・・・・・! ともよはイラついていた。 朝から晩まで子どもたちの面倒をみている。 先生、だっこ~! 先生、うんち~! 〇〇くんが私のおもちゃをとった~! 阿鼻叫喚、怒号と罵声、アルミ缶とスチール缶のオーケストラ。 巨大な磁石で身の回りにある音をすべて選別して空っぽな玩具箱に放り込んで貰えたらいいのに…。 慌ただしく時間は過ぎて、子どもたちを見送る。 自分の笑顔の意味はなんだろうか? ふと考えて、やめた。 今日はコンパなのだ。 ■ コンパは好きじゃない。 けど、誘われると断れない。 なのに、クジ運が良いかと聞かれれば、「そうでもない。」 いつも、間の抜けた男が糸の先にくっついている。 (この糸を街に放り投げたら、可愛い女が釣れるのかしら?) 高層ビルの上から街を見下ろす空想の中のともよは、そこで可愛い女を釣り上げてレズプレイでもしてやろうかと企てる。 けど、実感が湧かない。だって、女の人には興味ないもの。 ■ 合コンの会場は暗さと明るさの割合が7:3、「近頃はこんな店が増えたなぁ…。」とぼんやりと考えていたら、後ろから声を掛けられた。 「とぉもぉよっ!!」 ひろみだ。 ひろみは「中学校からの同級生で、私の親友。」いつからか兄弟のような親友、いや・・・戦友?のような感じもする。 ■ 向かいの席に並んだ男は皆一様に、爽やかな笑顔を振りまいている。 「この人たちの笑顔の意味を知っている。」と、ともよは思う。 (また今日も、お持ち帰りをせがまれて、そいつをあしらって終電に…。) 繰り返し味わった光景にパブロフの犬よろしく、気持ちが萎えそうになる…。 しかし! が、しかしである。 今夜のともよは何かが違っていた。何かを変えていた。 ――― keep smiling 。 どこかで聞いた言葉が、脳裏をよぎってそのまま居座る。 そんな時は、その言葉に従ってみる。 (今夜の私、なんか変。) そう思った瞬間に、ひろみが「楽しそうね。」と意外そうな顔で呟く。 周りの笑顔たちも続けて口にする。 「よかったー!楽しんでねー!」
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