あれは忘れもしない中学三年生の六月の出来事でした。
私は一糸まとわぬ丸裸にむかれて校庭に立っていました。
私の周りにはクラスの女の子四人がいました。
「校庭三周だからね」
「三分以内に走れなかったら何度でもやらせるから」
私は恥ずかしさで立っているのもやっとでした。
なぜこんなことになったのかというと、それはその日の昼間の出来事でした。
私は四人の女の子たちと一緒になっておしゃべりの輪に入っていました。
とは言え、私は何もしゃべらず、ただ黙ってそばにいるだけでした。
話をしているうちに私はぼそっと反論めいたことを言ってしまいました。
するとその言われた子はショックを受けたみたいで、泣きそうな顔をしました。
他の子たちは私を責めるような目で見ていました。
元来私は口数が少ないほうだから、ただうつむいて
「ごめんなさい」とあやまるばかりでした。
でも許してくれませんでした。
そしてとうとう「私たちの言うことをしたら許してあげる」
と言い出したのです。
それが夜中に裸になって校庭を走ることだったのです。
夜中、親の目を盗んで校庭に入った私は、四人の見ている前で
服を脱ぎました。
四人はニヤニヤしながら私の裸を見物していました。
私はもう死ぬほど恥ずかしくてたまらず、早くこの状況が終わることを
願いました。
そして私は走り始めました。
胸はもう大きかったので、裸で走ると胸が揺れて痛くて仕方ありませんでした。
それでも時間内に走らないといつまでたっても終わらないので、
私は全力で走りました。
それこそ無我夢中で走り、体を隠しもしないで走ったのです。
四人は私の姿を見て大笑いしていました。
時間内に走れなかったというので、私は校庭を何周も走らされました。
汗びっしょりになって走り、やっと許してもらえましたが、
今度はみんなで私の服や下着を持って方々に走っていきました。
私は疲れていたけど必死になってみんなを追いかけました。
「ほらほら、返して欲しかったら追いついてきなよ」
「裸で帰る?」
そんな声を聞きながら、私は真っ青な顔をしていたと思います。
結局誰も捕まえることができなくて、私は一人校庭に取り残されてしまいました。
もちろん裸のままです。
幸い夜中だったため、誰にも見つからずに家まで帰れましたが、
道を走っている最中は誰かに見つかったらと思い、生きた心地がしませんでした。