この話は、私が小学校1年生の時の体験で、チカンに遭った話です。もう30年も前、私と二人の姉と近所の空き地と言うか原っぱで遊んでいた時です。上の姉は6年生、下の姉は4年生でした。そこへ土建業らしい知らないおじさんが近ずいてきて、話かけてきました。目的は上の姉のようでした。「お姉ちゃん、どんな下着かな?」「とか「もう大人みたいなパンティ-穿いているのかな?」等、平気でそんなことを知らない子供に尋ねてきました。一年生の私にもチカンだとわかり、「姉たちを守らないと」と男としての使命感に似た感情を持ったことを覚えています。しかし、その時姉たちが走って逃げだしたので、私も怖くなり逃げました。その男の顔はずっと忘れずに記憶されていました。「三つ子の魂百まで」と言います。別に記憶しようと思った訳ではありません。しかし小さな子供にとって余りにも衝撃的だったので、忘れようにも忘れないのです。それ以降、中学生になっても、高校生になってもその男をよく見かけ、血気盛んで若かったので「ああいうレベルの低い奴だからチカンをするんだ」とか「あの時のチカン」と見下して唾棄すべき男に思えて仕方ありませんでした。今、私は30半ばを過ぎました。その男は恐らく60近いのではないでしょうか。するとあの当時30前。今も仕事の帰りに、汚い姿のまま酒屋でビ-ルか何かを買い、自転車で帰るその男をよく見かけます。私が覚えていることなど、知らないでしょう。向こうにしてみれば、そんなチカン行為は数えきれない程しているでしょうし、「相手に覚えられる恐れあり」なんて知恵は働かないでしょうから。良く言ったものです、「三つ子・・・」は。現在の自分では、もし同じ事が起きとしても、その日に忘れてしまうと思います。それで、何が言いたいかと言うと、私は専ら「見る専門」で「見る側」ですが、各々性分で見せるとか、チカンに似た行為をする時は、相手を選び「子供は避けた方が良い」と言う事です。そうでないと私のように後々まで覚えられます。