夏の夜、田んぼのあぜ道で全裸になり、服はショルダーバッグに入れ、たすき掛けで持ち、自撮りをしながら歩いていました。
映り具合が気になりカメラ操作に夢中になっていたため、後ろから来る車への警戒を怠っていました。
走行音にハッとし、状況を理解し行動をとるまでの1、2秒間。
裸体は少しずつヘッドライトに照らされ始めていました。
2歩で跳躍し、脇の田んぼへ向かってタイブしました。
結果、あぜ道と田んぼの間、ススキやガマのような長身の草木が生い茂ったぬかるみに両足二本、太ももが埋まりきるまで突き刺さりました。
無数の虫やカエルがうごめいていたに違いありませんが、今はそんなことを気にしている余裕はありません。
ドライバーは私の姿をどう認識していたか、次にどんな行動をとるべきかフル回転で考えます。
恐れ知らずのDQN達が私を極秘の研究施設から逃げ出した未知の生物と勘違いし、捕まえようとした場合。
人に優しくをモットーに生きる超良い人が全てを理解した上でそれでも私の身を案じた場合。
とにかく車がすぐに停車し、私を探し始めたら…。
身を屈めて上半身もろとも草の中へ潜り込むか、いや見つけられるのは時間の問題。
なりふり構わず田んぼの方向へ走り出すか、どの方向にしろあぜ道へ這い上がらねばならず、回り込まれて終了。
あきらめて正体を明かすしかありません。
野性動物と思いスルーしてくれるといいが。
ビクビク祈ること5秒前後だったでしょうか。
車は私が飛び込んだ地点を通過し、走行音が聞こえなくなるまで遠ざかりました。
すぐさま這い上がり、元の道から90℃横向きのあぜ道に曲がり50mほど離れ身を伏せました。
ドライバーは全裸の人間が闊歩しているという状況を理解するのに時間を要したがやはり気になって引き返してきた。
というパターンに備えるためです。
読みが的中したか否か、逆方向から車が1台通過していきました。
この間、ぬかるみの中に靴がスッぽ抜けていたら終了していました。
股間は完全に縮こまってしまい、露出どころではなくなってしまいました。服を着て家路につきます。
家で確認してみると、軽い擦り傷や切り傷、草負けなどのミミズ腫が全身無数にできていました。
泥や菌を落とさないわけにもいかず、ヒリヒリした痛みを我慢しながらシャワーを浴びました。
普段運動などしておらず、いきなりの全力跳躍によって翌日は軽い肉離れも起こし、それでも全身ミミズ腫れの言い訳が思い付かなかったため医者へは行かず、市販の湿布とサポーターで自然治癒させました。
単独での野外全裸は念入りな下見と警戒が必要不可欠。
この日以来、信頼できるパートナーがいてくれたらと切に願うようになりました。