「ねえねえ変態くん、うちら喉渇いてきちゃった」「今日暑いしね~」「ジュース飲みた~い」
…自販機は確か入口の駐車場の近くにしか無いはずです。そこまで行けと言うのか…服も返してもらえないまま…
「何黙ってんの?」「買ってきて、早く!」「もちろん変態くんのおごりだよ~」僕のサイフからお金を取り出すと「はい、これで」…渡されたのは一万円札でした。自販機ではなく、お店に行けと言うのか…
「すいません…勘弁してください…」「さすがにお店はケーサツに捕まっちゃうかぁ」「キャハハ、マッパのまま捕まっちゃえばいいのに~」「じゃあこれで買ってきて。一万返して」…僕のお金なのに…なんて事言えるわけもなく…
「いい変態くん、これから自販機まで行ってうちらのジュース買ってここまで無事に帰ってこれたら服を返してあげる。途中で見つかったりしたら変態くんの負け、ってゆうか人生の負けだよね~キャハハ~!」「おもしろいゲームだね~、もちろんマッパ、フルチンのままでね」「途中で逃げないように隠れてついていくからね」
…ここから自販機まで行くには公園の真ん中を横切ればすぐなのですが、まず間違いなく人の目につきます。遊んでる子供達、学校帰りの学生、子供のお母さんなんていたら…あとは公園の壁づたいに隠れながら行くしかありません。それもかなり危険ですが…
「あの…このまま何も着ないで行くんですか?」ダメ元で聞いてみました。「当たり前だよ!そのまま素っ裸で行くんだよ~」「フルチンでね」
…やはりダメです…「せめて何か隠せる物とか…」「え~っ、どうする~?」「うち、いい物持ってるよ。部活で使ったタオル。これは?」「いいね~、じゃあこれでお風呂みたく前だけ隠して!腰に巻いたらだめだよ」…ようやくスッポンポンから開放されました。でもすっごく情けない格好です。
「じゃあゲームスタート!タオル一丁でジュース買ってくること~」
僕は覚悟を決めてトイレから外を伺いながら一歩踏み出しました。