話は、小6の7月にさかのぼります。しとしとと小雨が降りしきる梅雨の
日のこと。このころの私は雨の日はカッパを着てRしてました。
カッパのズボンの中はフルチンで、いつでもPを出せる状態にして女の子
を探していました。顔は、カッパのフードで下半分を隠し、眉毛と目だけ出
した状態です。
そんな格好でH小学校付近の住宅街にさしかかったときです。ある家の前
で3人の女の子が傘を差して立ち話をしているのが見えました。
周りには人影はなく、絶好のチャンスでした。カッパのズボンのチャック
からPを出し、何食わぬ顔で彼女たちの前を歩いて通り過ぎました。見たと
ころ、自分とさして年齢は違わない子たちでした。しかし、立ち話に夢中で
3人とも私がPを出しているのに気づきません。一往復して三度目に彼女ら
の前にさしかかった、そのとき!
そのうちの一人がやっと私のPに気がついて、「あっ!」と言いました。
するとほかの2人も気がついて、私のPを見ながらひそひそと何事か相談を
始めました。耳打ちしていて話の内容は聞き取れなかったので、気にせずにまた彼女らの方にPを出したままクルッと振り向いたら、一人が家の中に駆け込むのが見えました。
「やっべー!早くにげなくっちゃ!!」
Pをしまうのも忘れて20メートルくらい走ったところで、女の子の一人
が「ねぇーっ!もう一回こっち向いてぇー!」と叫んだので、悲しきR魂に
再度火がつき、大サービスとばかりにえいっとカッパズボンを下ろしてPを
つまんでプルプルと振ってみせました。一人は大うけで大爆笑、もう一人は
両手を口にあてて固まっていました。
もうサイコーの気分でしたが、さっき家に駆け込んだ彼女のことを思い出
し、あわててカッパズボンを上げてダッシュしました。家から彼女の親か誰
かが出てくる前に逃げないととんでもないことになる!とあせり、必死で駆けました。途中で、カッパの上着が逃げるのに邪魔になったので路上に脱ぎ
捨てて上半身ズブ濡れで帰宅しました・・・。
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翌年の4月に中学生になりました。入学式が終わり、俺が入るのは何組か
なぁと同じ小学校の友人たちといっしょに壁に張り出されたクラス分けの表
を眺めていたときです!
あの梅雨の日にPを見せた3人が私のすぐ横でクラス分け表を見ていたの
です!!なんと、私と同学年でしかも同じ中学校に入学していたのです。
そのうちの一人が何気なく私の顔を見たとき。みるみる彼女の表情が変わって、隣の彼女に耳打ちし始めました。3人とも私の顔を軽蔑のまなざしで
見ていましたが、どうすることもできない私はバクバクする心臓の鼓動を押
さえながら真っ赤な顔でふたたび掲示板に視線を戻しました。
「あのとき顔の半分隠してたのに、なんでバレちまったんだろう?」と混乱しそうな頭で自問自答しました。その当時は、TVなどで素性を隠す必要
のある人の目線を黒線で消す理由を理解していませんでした。目が、その人
の特徴をつかむ最大のポイントなんだという事実を知らなかったのです。
「ああ。この場から消えてしまいたい・・・」と半ば貧血状態でしゃがみ
こもうとしたとき、新一年生の担任の一人と思われる女教師が大声で私たち
に呼びかけました。
「はい、みんなー。自分のクラスを確認したら荷物を持ってそれぞれの教
室に移動してー!」
少しフラフラしながら、ゾロゾロと移動する見知らぬ同級生たちのあとに
ついて自分のクラスに向かって歩きはじめました。例の3人は私からちょっと距離を置きつつ、警戒の目を私に向けながら自分たちの教室の方に歩いて
いきました。
幸い、3人とも私とは別のクラスになったので少しホッとした私は新担任
の話をうわの空でききながら、長い一日の終わるのを待ちました。
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こうして中学生としての新しい生活が始まったのですが、あの3人の女の
子たちとは廊下で会っても言葉を交わすことはありませんでした。
ただ、彼女たちも私があのときのR狂だという確信が100%ではなかったようで、ほかのクラスメートや担任に言いふらしたりすることもなく、私
から距離を置く程度にとどまっていました。
そうしているうちに、部活の勧誘が始まりました。私は特にやりたいもの
がなかったのですが、剣道部のしつこい勧誘に根負けしていつのまにか剣道
部員になっていました。
ところが、女子剣道部に例の3人組のうち2人が入ったのです!ほかの一
人は陸上部に入りました。
「ああ・・・。なんてついてねぇんだ。こんなことなら、剣道部なんか入
んなきゃよかった・・・。」
後悔してもはじまりません。一度入った部には最低三ヶ月は入っていなく
てはならないという、キビシイ決まりが当時の母校にはあったのです。
「ひでえや。こんな状態で剣道なんかやってらんねえよ・・・」と半分ふ
てくされて剣道を続けていたら、そんなくさった私の態度に業を煮やした剣
道部の顧問から連日居残りのシゴキを受けるハメになってしまいました。
もちろん、例の2人は部活のときも一言も口をきいてくれません・・・。
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追伸 長くてスミマセン。パート2の完結編へと続きます。