3年前のお盆のことです。この日私は、泊りがけの海水浴を楽しもうと
I県常○太田市の友人宅に向けてドライブしていました。
その日の晩は友人宅に泊まり、翌朝河原子海水浴場に行く予定でした。
ドライブはご機嫌そのものでした。何しろ、小旅行気分でRしながらのドラ
イビングです。何人かの女の子にRして、もうノリノリでした。
ド○カムのアルバムを聴きながら鼻歌交じりで、ある林道に入ってまもなくのことです。前方左手にバス停が見え、運行標識のそばに中学生くらいの
麦藁帽子をかぶった女の子が一人たたずんでいました。
周りに人影はなく、人家も見えません。こりゃ、いいターゲット発見だぁ
と大喜びの私は、少し車のスピードを落として彼女の前を通り過ぎました。
彼女は、大きなボストンバッグをもってうつむいて立っていました。バス
停を少し過ぎると急カーブが待っていました。カーブには大きなカーブミラーがあり、ルームミラー越しに見ると彼女の小さい姿がちらっと確認できま
した。
急カーブを少し過ぎたあたりに停車し辺りを見回してみると、依然として
人家も人影もなくだいぶ薄暗くなっていました。
ぐずぐずしてるとバスがきて彼女が行っちゃうかもしれないとあせった私
は、さっそく車を降りてチャックからペ○スを出し、しごきながら彼女の
いるバス停のほうへ歩き出しました。カーブミラーに映った彼女はうつむいたままで、まだ私に気づきません。
いよいよカーブを曲がり、彼女にチ○ポをさらそうとしたそのときです!
私はキツネにつままれた気分になりました。彼女がいないのです!バス停に
は人が隠れる場所なんかありません。それに、カーブを曲がる直前までカー
ブミラーで彼女を確認しつつ歩いてきたのですから。
嫌な予感がしました。寒気を覚えた私は、本能的に、「この場所にいちゃ
良くないんだ」と感じて、チ○ポをしまって車のほうへ引き返しました。
もう、Rなんかどうでもよくなっていました。一刻も早くここから逃げな
くちゃ危ないと感じました。
恐怖を必死でこらえ、「振り向いちゃだめだ、振り向いちゃだめだ」と
何度もつぶやきながら私の車までたどり着いたそのとき。私はつい振り向いてカーブミラーを見てしまってのです!
そこには、姿を消したはずの彼女が立っていて今度はカーブミラー越しに
私に顔を向けていたのです!!
「ぎゃーーーっ!!」
言葉にもならない声をあげて、無我夢中で車に飛び乗りました。車を急発進させ、あとも見ずに走りました。気がつくと、もう完全に日が暮れていま
した。
少し呼吸が落ち着いてくると、私はド○カムのボリュームを目いっぱい
上げ、恐怖を打ち払おうと大声で歌いながら友人宅をめざしました。
どこをどう走ったのかは覚えていませんが、気がつくといつのまにか見慣れた国道に出ていたので、ほっと胸をなでおろしました。
・・・やがて友人宅に着いた私は、玄関に入るなりばったり倒れてしまいました。気がつくと朝日が差して、私は友人のベットに横たわっていました。額には氷のうがあてがわれており、友人が心配そうに私の顔を覗きこんでいました。
彼の話によると、倒れた私は一晩中うわごとを言っていたそうです。救急車を呼ぶかどうか、ずいぶん迷ったんだよ、と彼は言いました。
彼に会ってほっとした私は、頭痛をこらえながら昨日の出来事を彼に話し始めました。(もちろんRについては触れないように。)
少し霊感のある彼は、すぐに私の話を信じてくれました。そして、2人でその場所を確かめに行こうと提案しました。私は二度とあんな恐怖体験なん
かしたくなかったので断りましたが、このまま放っておくほうが危ないという彼の提案に従い、いやいやながら昨日の現場に向かうことにしました。
ところが、いくら探しても昨日の林道は見つかりませんでした。里MI村
周辺だったとは記憶していましたが、薄暗かったし、夢中で逃げたので正確
な位置はつかんでいなかったのです。
結局捜索はあきらめ、私たちは当初の予定どおり海水浴に向かうことにし
ました。精神的に疲れて海水浴もあまり気乗りしなかった私ですが、なんと
か私を元気づけようとする友人の親切さに打たれ、素直に海水浴場に行く
ことに決めました。
海水浴場に着いても、私は不安でした。どこかに彼女がいそうな気がして
ならなかったのです。いつもなら沖のブイまで泳いで遊ぶ私ですが、この日
は水には入りませんでした。海中に引きずりこまれそうな気がしたからです。ずっと波打ち際で砂遊びをしていました。友人と2人で。
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自宅に帰って何日かすると、私も落ち着きを取り戻しました。そして、
彼女について冷静に考察しはじめました。
彼女は、私の考えるとおり、この世の人間ではないと思います。よっぽど
海水浴に行きたかったんでしょう。たまたま、私が海水浴のことを考えながら楽しそうに通りかかったので、自分もいっしょに連れて行ってほしかったんだと思います。
あのあと私の前には姿を見せませんので、Rについては許してくれたよう
です。今では恐怖心よりも、海水浴にいけなくてかわいそうだったな、と
同情の気持ちに変化しています。
それからの私は、海水浴に行く日だけはどんなにいい娘を見つけてもRは
しないことに決めています。無邪気に海水浴を楽しんでもらうために・・・
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追伸 私は正気でした。あれは幻覚じゃありません。内容が板違いになり
そうだし、信じてもらえそうになかったので敢えて書きませんでした。
この世には、科学や常識の通用しない現象がたくさんあります。今回私が
彼女に遭遇したのは、たまたま「波長」が合ったからだと考えています。
私自身は、決して霊感の強いほうじゃありませんから。改めて、彼女の
冥福と今後の幸福を祈ります。
彼女がいつの時代の人間かは、今でも分かりません。