私はスーパーでレジ打ちをしてました。
女が多い職場だけに派閥がいくつもある。
私はどこにも属していなかった。
ある時、同じレジ部の三人グループからお茶に誘われた。
いつも同じ面子では飽きるのかもしれない。
取り立てて急ぐ用事もないしつきあった。
「ねえ、夏雄くんってかわいいと思わない?」
夏雄くんは最近入ったバイトの少年だ。
食品部の品出しがメインの仕事だった。
突然のふりにちょっと内心怯えたのは、私は彼に惹かれていたからだ。
内心を見透かされたような気になったのだ。
その後、聞かされた夏雄くんの話は衝撃的だった。
彼女らは誰かの家に集まってはフリーダイアルで男を漁って楽しんでいたようなのだ。
特に目立った戦果はなくともワイワイガヤガヤ賑やかにやっていたそうだ。
その電話で夏雄くんと繋がって関係が始まったらしいのだ。
スピーカーで相手の声は流れているから1人が気づいた。
色々話していると同年代より年上の女性が好みで
電話するようになったという。
それも40代が希望って、年増の欲求不満女からしたらヨダレが出そうな事を言ってきたそうだ。
わりとおとなしめな印象の彼にそんな趣味があるなんて…
人は見かけによらないものだ。
彼女らは初めてアポを取りつけ1人が約束の場所に赴いた。
いきなり三人で行って引かれても困る。
その日のうちに若い肉体を味わった1人が、実は…と本当の内情を打ち明けた。
結局三人は思い思いに彼と関係を結び久しぶりに欲望が満たされる日々を送っているという。
全員集まってしないところが彼女らの育ちの良さみたいなものなのかもしれない。
あとは、皆がそれぞれ夢中になってるからか…
人ってやっぱり良い事や嬉しい事はどこかで喋りたくなるものだ。
私に白羽の矢が立ったのは、派閥に属してないし口がかたそうに思われたのでしょう。
実際、私は彼女らの目論見通りに誰にも話さなかった。
ただ、彼女らが想像もしないような行動に出ていた。
同じように、彼と電話で話せるようにフリーダイアルに掛けまくったのだ。
番号は掲載されている週刊誌を見せられていたからわかっていた。
あとは若い子の声を便りにカマをかけたりして特定に励んだ。
そんなに悪戦苦闘しなくても繋がった。
話の過程で来たっ!とわかると、切られないように話を繋ぎ、ついにはアポを取りつけた。
私は彼女らの事を一切抜きで彼と接するつもりだった。
初対面で驚くふりをする芝居はわりとうまくいったと思う。
それに、驚いてはいたが彼は嫌そうではなかったから、私はうまく誘導してその日のうちにホテルにまで行けた。
彼女らの話は本当だと思っていた。
私が彼を意識し出したのは、元々彼から送られてくる視線だった。
なんか女として見てくれてるような気がしたのだ。
パートのおばちゃんじゃなく。
だから、私も意識してしまい、珍しく自慰も活発にするようになったくらいだ。
彼は私の奥深くで果て、グッタリ身を任せてきた。
「すごい素敵だった…おばさん恥ずかしい…」
我ながら派手に喘いでしまった。
「三木さんも素敵でした…正直ずっと抱きたかったです」
この歳でそんなセリフが囁かれるなんて…
彼女らが夢中になるはずだ。
「私くらいの女が好きって本当だったのね…じゃあ夏雄くんならモテるでしょ?」
「そんなことないですよ。あくまで家庭を壊さない範囲で遊ぶにはちょうどいいから、たまに誘われることはありますけど。」
それでも女は本気なのよ…
「こんな風に抱かれたらおばさん勘違いしちゃう…負担にならない範囲でいいからまた会ってくれる?」
私は精一杯潤んだ瞳で訴えた。