小二の春、転校生が来た。新学期から居たので転校生転校生していた訳では無いが、一年の時に居なかったから、やはり少しは浮いていた感はあった。
稲宇田寛二君(男子)と言い、静岡から来た。
すぐにクラスに溶け込み、皆と集団下校をした。朝の集団登校とは違い仲良しグループとガヤガヤ歩き、グループの中の一番遠い奴の家近くまで一緒に……………つまり寄り道をするのが日常だった。
その集団寄り道下校には習わしがあり、途中の農道に出ると用水路の水門脇で立ちションや、女子は座りションをする時間がありました。
私たちは何の躊躇いも無く『……さて、やるか』なノリで行うのですが、転校生の稲宇田寛二君はモジモジして路肩で待っているだけでした。
『稲宇田もやれや』と促すも、いつも『いい、したくない』と逃げていました。
しかし、回数重なれば、稲宇田君も観念と言うか、慣れたのか、ある日 一緒に立ちションをする事に。
しかし、そこでヒト騒ぎが起きた。
我々男子はファスナーを下ろし、パンツの中からイチモツを取りだし用を足すのだか。
(女子は当然、パンツを膝まで下ろし、スカートをたくし上げしゃがむ)
稲宇田君だけはズボン、パンツを膝まで下ろし、立ちションをするのです。
そう、彼は脱がないと小便が出来ない子だったのです。
『うわっ、何?ズボン脱いでん?』
『嫌だ!お尻出してる!』
男子には冷やかされ、女子には変扱い。
転校生 稲宇田君のピンチ
私はスグに稲宇田君の味方に回った。私も膝までズボン パンツを下ろし、立ちション。
『これ、いいわ、気持ちいいで!?』
よしよし、ナイスフォロー、俺。
陶酔するも、私は一つ 目覚めてしもーた。