全裸露出に出かけた。
公園に着くと、屋根付きベンチの下で制服姿の高校生の男が4人。女は居ない。
こいつらの前を通り近くのベンチに座ると、一斉にオレを見てきた。
生意気そうな奴らだが、どいつもみんなヒョロい奴で何とも弱そうだ。
タバコを吸うのはいいが、もっと飯を食って運動をしろと言ってやりたい。
Tシャツを脱ぎ、柔軟をはじめる。
何をするにもウォーミングアップは大切だ。怪我の予防にもなるし、トレーニング効果も高まる。
次にベンチを利用してシッシースクワットを50回。
ここで奴らに向かってポーズをとると、明らかにオレを睨んできた。
奴らもイキがりたい年頃なのだろう、オレにもそんな時代があった。
しかし、こんなガキ共にナめられたままでもシャクだ。ここらで一発オレの恐ろしさを教えてやらねばならん。
公園の木を蹴り倒しでもすれば奴らもビビるだろう。
気合いを入れる為、下も脱ぎ全裸になる。
ターゲットの木は・・・
一番幹の太いアイツだ!狙うなら一番強そうな相手だ。それが男ってもんだろう。
十分な助走をつけ、ふわりと宙を浮き、下から突き上げるように思い切り飛び膝蹴りを叩き込んだ。
イメージとしては相手のアゴをカチ上げるような一発。うまく入れば一撃でKO可能だ。
助走、角度、全てがパーフェクトだった。
鈍い音が鳴り響き、オレの全身を電気が貫いた。
これぞまさにノックアウト級の一撃だ。
これ程までに完璧に決まった膝蹴りだったが、大木は微動だにせず、オレは無残にも跳ね返された。
膝が擦り剥け出血し、呼吸が出来ない。そして何故か笑いが止まらない。
丸太で膝を打ち抜かれたかのような衝撃だった。
のたうち回る程の激痛に耐え、体を起こし、ほほ笑みながら奴らにポーズを決めた。
ここでついにオレに恐れをなしたか、奴らは逃げるように去っていった。
弱い。弱すぎる。
悔しいか?悔しかったらもっと強くなれ!
ガキ共にオレの恐ろしさを見せ付ける事はできたが、大木を倒す事はできなかった。
膝が治ったら何度でも挑戦する。ネバーギブアップだ!