今年の福岡、桜の開花宣言から散ってしまうまではあっという間でした。
私は桜が散って葉桜となった木々を眺めながら一年前のことを思い出していました。
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(気持ち悪ぅ〜。飲み過ぎた)
私はまだハッキリとしない頭を覚まそうと大きく伸びをした時、急に下腹部に違和感を感じて股間に手をやりました。
(まさか、この歳でおもらし?)
何となくショーツの中が湿り気を帯びている感じがしたため触ってみたが、漏らしたというほどの濡れ方ではない。念のため、ベッドを触っても濡れた様子は無い。
(何だろ?この湿り気は?まさか昨夜、飲んで誰かにされちゃった?)
慌てて起き上がると、ショーツを脱いでみる。
「くっさぁー」
駅で清掃が行き届いていない古いトイレの様なおしっこの臭いがムワッと室内に漂い、
思わず声を上げてしまいました。しかしそこに男の臭いは微塵も有りませんでした。
(こんなに臭かったら、男も萎えるよね)
(それにしても、何でこんなにショーツがおしっこだらけなんだろう?)
昨日の夜の行動を振り返ると、夜の記憶が徐々に思い出されてくる。
(うわ〜やらかした。明日どんな顔して会社行こう・・・)
昨夜はお風呂にも入らず、ベッドに倒れ込んだのでしょう。
昨日のショーツを履いたままなだけでなく、しかも全身に汗臭さが漂っていた。
「取り敢えず、シャワーだけでも浴びよう」
シャワーを浴びながら、昨日の晩の出来事を頭の中で整理し始める。
昨夜は取引先の社長さん、後輩の木下君、石田君と行動した記憶を振り返る。
(たしか、取引先の社長さんを見送った後に木下、石田と公園で呑んで・・)
久「社長、ご馳走さまでした」
木「気を付けてお帰り下さい」
この日は私と木下君(20代♂)、石田君(20代♂)が社長行きつけの小料理に誘われたのです。料理もお酒も美味しい物が揃えられ、私達が普段飲み歩くような居酒屋とは、格が違いました。
しかも社長の奢りです。
それだけを考えると何とも有難いお誘いですが、これは社長の独演会に付き合う代償なのです。
着いてから、帰るまで社長の若い頃の武勇伝、自慢話、社訓に関する考えなどなど、とにかくひたすらに喋りまくる。私達に誰も口を挟ませず、ただ相槌を打つ事だけが求められるのです。
なのでタクシーに乗る社長を見送り、その姿が見えなくなると3人で思わずため息をついた。
久「疲れたね。さあ、私たちも帰ろうか?」
私が後ろを振り返ると、木下と石田は目配せをしながら、手で何かをクイッと飲むようなまねをしていた。
久「あ~、見ーちゃった。二人で飲み直しに行くの? いいなあ。私も連れて行ってよ!」
二人は私にバレたかといわんばかりに、顔をしかめます。
木「飲み直すって言っても、公園で缶ビールを軽く飲むくらいのつもりですよ」
石「そうそう、女性が好きな、小綺麗なお店に行くわけではなかったんですよ」
そう言って、私を諦めさせようとします。二人からすれば女性の私が居るのは気を遣うのですから当然でしょう。
久「えっ!、なんか面白そう。一緒に行く!」
と、結局強引に着いていく事にしました。
途中、古びた酒屋の前にある自動販売機でビールを買う。私は滅多に見ないお酒の自動販売機に興味津々でした。
石「じゃあ、ここで一本ずつ買いますか」
久「1本だけ? じゃあ、今日は私がおごるから、一人2本にしない? うん、そうしよう」
二人の同意も確かめず、勝手に決めると、私はビールを6本さっさと買ってしまいます。
着いたのは、繁華街から外れているからか、夜は誰もいないような小さな公園でした。
静かにクールダウンするには、確かにちょうど良さそうな場所です。
久「じゃあ、飲み直しのカンパーイ」
私が音頭をとると、「コンッ」と三本のビール缶が軽くぶつかった。
しばらくすると、若い二人が冗舌になってくる。普段、よほど不満が溜まっていたのでしょうか。
木「それでさ、課長はあからさまに保守派じゃないですか。会社はチャレンジとか言うけど絶対石橋を叩いて渡らないし」
久「まあ、二人の言いたい事はわかるけどね」
二人の愚痴を聞きながら、二本目の缶を口元に持っていこうとして、ほぼ空になっていたことに気がついた。
久「うーん、まだ飲み足りないな。1人もう1、2本くらいずつ追加しようよ」
木下と石田は、顔を見合わせます。二人ともビール1本、軽く飲んで帰るつもりだったのでしょうがここまで熱が籠った話し合いになるとは思いもしませんでした。。
しかし、こうなってはトコトン付き合うしかないと私は悟りました。
石「じゃあ、俺、買いに行きますよ」
と、石田が立ち上がった。
久「えーっ、悪いよ。私が言い出しっぺだから、私が行くよ」
石「まあまあまあ、ここは俺に任せてくださいよ」
ならばと、私は財布から千円札を二枚出して彼に預けます。
1歩2歩と歩き始めた木下を追いかけるように、石田も立ち上がった。
木「石田ひとりを使いっ走りみたいにして悪いな」
石「いいんだよ……。それに、俺」
そう言うと、石田はズボンのチャックの前で、筒を構えるような仕草をした。
久「あー、見〜ちゃった。石田君は、トイレにも行きたかったのね。それなら、心おきなくお願いできるね」
私は、そう言って買い出しを頼んだ彼を見送ります。
「トイレ」という単語を耳にして、私も急に思い出しました。
(そういえば、私も社長のお店の時から、1回も行ってなかった)
社長お勧めのお酒を一通りは飲んで、更にここに来てビール二本。気がつけば、膀胱はだいぶ張っていた。
(石田が帰ってきたら、トイレの場所を教えてもらおう)
しばらくするとビールを6本持って、石田が戻ってきた。
不思議な物で忘れている間は何も気にならないが、一度トイレを意識してしまったせいか、私の尿意は急速に高まっていきます。傍に木下がいたから、露骨な態度には出さないようにしたつもりでしたが、
脚を組み替える回数が明らかに増えている。
久「石田くん、お帰り! トイレは無事済ませたかな?」
石「ええ、まあ」
私に話しかけられ、どこか曖昧に彼は答えました。
久「それでさ、私にもトイレの場所を教えてくれない?」
石「え~っと、その・・・」
私が尋ねると彼は頭を掻きながら、曖昧な返事しかしません。
そして木下に助けを求めるように目線を送っています。そんな木下も困った顔。
久「何で教えてくれないの。私もちょっとだけトイレに行きたいんだけど」
正直に言うとちょっとどころの尿意ではなかったですが、口では「一応行っておきたいだけです」というニュアンスを崩さなかった。
そんな私の気迫に押されてか、石田は意を決して説明しはじめます。
石「実は、この公園にはトイレがないんですよね」
久「えっ?」
石「それに、この周辺は公衆トイレもコンビニは夜は閉まりますから」
久「だって、じゃあ、石田くんはどうやって?」
木「その辺で、立ちションしてきたんだろ? 女性の前だから、言えないし」
木下が同意を求めるように言うと、石田は恥ずかしそうに下を向いた。
久「じゃあ、私はどうすれば……」
石「駅まで戻れば、駅のトイレかコンビニが使えますよ」
木「駅までって……」
(ここって、例のお店から駅の反対方向に、結構歩いたよね)
駅まで戻るとなると、私の足では20分から30分ほどは掛かるでしょう。
頭の中で計算し、無意識のうちに声が出てしまいました。
久「絶対、無理!!!」
すぐそこにトイレが有ると思っていたからこそ出来ていた我慢も、トイレにたどり着くまでそんなに時間が掛かると解ると、もう我慢出来そうもありません。
カタカタ、カタカタとヒールをアスファルトに打ち付ける激しい足踏みが止まらなくなる。
まさか、後輩男性二人の前であそこを押さえるわけにもいかず、スカートの裾を握りしめ、ギュッと強く引っ張った。
久「うわぁ、どうしよう、どうしよう?」
私の不安な呟きに二人は困ったように顔を見合わせるだけです。
(ここで、おもらしとか・・・嫌駄目だ、絶対駄目だ)
二人にそんな私を見られたら絶望死してしまいます。それに帰りの電車やタクシーにも乗れなくなるでしょう。
そんな私に選択肢は一つしか有りません。しかしそれを自分から選ぶのも、恥ずかしくて簡単に出来ません。
その間にも尿意は激しくなる。じんわりとパンツが湿ったような感覚になるのは、冷や汗なのか、それとも膀胱に貯まった黄色いしずくなのか・・・
(そんなの、駄目だ!!!)
私は足踏みを辞め、ピタリと静止して二人に言った。
久「私もその辺、そうだ、あの植え込みの陰でしてくる!」
とうとう恥を捨て、前を押さえながら植え込みの陰へ駆け出す。
久「見ちゃ駄目だからね! 音も聞かないで! 誰か来ないように見張っといてね!」
それだけ言うと、植え込みに隠れるようにしゃがみ込む。
(ふぅぅ、間に合った)
下着を下ろし、しゃがみかけながら、もう漏れ始めていたのだから本当に間に合ったといえるのかどうか。トイレだったら確実に床を汚していたでしょう。
ただ服を濡らさずに済んだのだから、セーフと言えばセーフなのです。
溜まりに溜まったおしっこを絞り出すように下腹部に力を込めるから、それに合わせて
「シャッー、パラパラ」と直線的に飛んでは、力が抜けた時にはシャワーの様に広がる。
それが何度も繰り返されるが、なかなか溜まったおしっこを出し切ってスッキリしたという感覚にはならない。
こんなに長く出し続けると、足元に飛び散り、お尻に垂れたおしっこもかなりの物になり、自分でも解るほどでした。
(いや~ん、冷たい。お尻もびしょびしょじゃん。ちゃんと拭かないと)
(ティッシュ、ティッシュは?)
おしっこの勢いが無くなり終わりそうになった頃、ティッシュはベンチに置いてあるバッグの中に有ることを思い出した。
(やっちゃった・・・)
最後の雫をお尻から落として、私は途方に暮れた。何時までもお尻を出したまま、ここでしゃがんでいる訳にもいかず、彼らにバッグを持って来て貰う事も出来ない。
覚悟を決めた私はお尻を大きく数回振ると、ショーツを上げた。
大量のおしっこに濡れそぼったお尻が、その程度で水気が切れるはずもなく、おしっこを吸収した布地がピタリと肌に張り付く。
(うわぁ、気持ち悪い)
そう思いながら、二人の居るベンチに戻っていきました。
ベンチに戻ると、二人は律儀に耳を塞ぎ、お互いに背を向けて見張りの様な格好をしていた。本当にずっとそうしていたのか、真実は解らないが一応、私へ気を使ってくれてはいるようでした。
二人の事を信じれば何も言わなくても良さそうでしたが、一応念を押すために私は二人に釘を刺しておきます。
久「お願い、今の事は誰にも言わないで、お願い」
昨夜、お化粧を落とさず寝てしまった顔に当たるドライヤーの温風が何とも心地良い。
飲み過ぎたせいなのか、お化粧を落としておかなかったせいなのか、又その両方のせいかは解らないが浮腫んだ顔を鏡で見ながら、私はその後の事を思い出そうとする。
(う~~ん。あの後、またがぶ飲みしたような?)
ショーツの汚れ方は一回のおしっこで汚れたとは思えないほどです。
その後も何度かおしっこをしたのでしょうか?そうなるとかなり恥ずかしい事です。
二人には明日会って、口止めするようにお願いしなければなりません。
汚れたショーツを一度手洗いして念入りに汚れを落とそうと準備する。
そしてクロッチの汚れを眺めながら、その後のことを思い出そうと努力しました。
しばらく三人の間に奇妙な沈黙が続きましたが、それに耐え切れなくなった私は恥ずかしさを誤魔化すためにもう一本勢いよく缶を開けると、そのまま一気に飲み干し
久「こうなったら、今日はトコトン飲む!」
と叫んだ記憶が蘇えりました。恐らく私の眼は尋常では無かったはずです。
その後、三人で普段から思っていた会社の愚痴、取引先の悪い噂、車内の恋愛模様などと普段はあまり話さない事まで飛び出し話しは尽きません。
その間、石田と木下は、「久美子さんをパシリにはできませんから」と言ってビールを買いに行くついでに、どうやら自分達もおしっこも済ませているようでしたが、私にも尿意の第二波が近づいていました。
しかし私はもう酔いが回って細かい事は気にならなくなり、一回やらかしたことで完全に開き直っていました。
木下が缶ビールを買って戻ってきたタイミングで、私は立ち上がると先程、石田がした様な、股間の前で筒を構える仕草を真似ておどけて見せる。
久「私もちょっくらしてきますわ」
これに対して木下が突然、「異議あり!」と叫んだ。
木「久美子さん、こんな格好したけど本当は立って出来ないでしょ?」
彼としては私のおどけた空気に乗っかって、ちょっと私を弄ろうとしただけかもしれませんが、私はムキになって返しました。
久「あ~君たち、女は立ちションができないからって馬鹿にしてるでしょ?」
最近の社内では、現場に出たいと希望する女性とそれを後押しする男性、現場に出たがらない女性、「女は駄目だ」と頑として認めない男性が居る。
「女は駄目だ」の急先鋒が私の上司でした。
久「何よ! 立って出来る事が、そんなに偉いのかっ!」
困った表情で顔を見合わせる二人。
久「大体ね、やろうと思えば、私にだってできるんだから!」
そう叫んで私はその場でスカートをまくり上げ、ショーツを膝下まで下ろし、ちょっと膝を曲げ、腰を前に突き出しました。
久「見てなさい!」
下腹部に”くっ”と力を入れると纏まった太い水流が、緩やかなカーブを描き、両脚の間の地面に叩きつけられる。
久「どうよ!」
ドヤ顔で勝ち誇ったように二人を睨む私。しかしこの光景も僅かな間でした。
おしっこの太い放物線は相変わらず綺麗なカーブを描いていましたが、スリットの中で枝分かれしたせいか、もう一本小さな水流が現れてショーツに直撃していました。
久「わっ、わっ、もう、何よぅ」
私は小さな水流がショーツに当たらないよう更に腰を突き出そうとしましたが、体のバランスを崩してしまう。立て直そうと慌てて体を起こすと、今度は本流が、ショーツを直撃しました。
やがて終盤を迎え、激しかった水流が収束しようとすると、一筋の流れがツツーッと太ももを伝い、脹脛を濡らし、靴まで濡らした。
ポタッ、ポタッ・・・
ようやくおしっこを終えて、呆然と立ち尽くす私。体の上と下から、雫を垂らした。
目からは涙が、剝き出しのままの股間からは残ったおしっこが。
二人は、鞄の中からティッシュを取り出すと、「使ってください」と私に差し出した。
それで正気を取り戻すと、私はそのティッシュを使い、涙を拭い、股間、太腿からくるぶし、靴を拭く。
濡れた靴下を脱いだ。ショーツは、脱いだままにするのは躊躇われ、ティッシュの残り全部を使って水分を吸収したが、履いてみるとペタッと貼りつき、湿っぽさは無くならなかった。
木「もう、飲んで、飲んで、忘れましょう」
この惨劇の原因の一端は自分にあると思った木下は、場の雰囲気を変えようと、新しいビールをあけて、私に渡してくれます。
コク、コク、コク・・・
彼に勧められるままに、ビールを飲み干す私。
飲み終えて気持ちが落ち着いた私は、二人にこれまでの思いを話します。
久「私が入社した頃はね、『女は小便が近い。そのくせ、やれこんな所では出来ないだの、 綺麗なトイレが有る所まで連れてけだの、面倒くせぇんだ。
文句言う奴は現場に出てくんな!』って散々言われたんだよ」
木「もう令和ですよ」
石「ほんと、古い考えですよね」
私の思いが伝わったのか二人は相槌を打つ。
久「大体ね、そこら辺ですぐに立ちしょん出来る男の人と違って、水分控えたり、こまめに トイレに行くのよ。トイレが有る所まで苦しいけど我慢してるのよ」
石「女の人は色々大変っすね」
久「そうでしょ、いっぱい気を使って我慢してるのにトイレに行きたいって言うだけで邪険 にされるのよ」
石「トイレのために車を出すくらい、当然ですよね」
木「これから女性が増えるんだから会社も考えないと、ですね」
久「そうよ、現場にトイレが有っても男の人はすぐ汚すし、掃除しないし、洋式トイレでも 安心して座れないのよ」
話し込んで喉が渇くせいかビールのペースは速くなる。ビールのせいか、トイレの話をしているせいか、濡れたショーツをそのまま履いたせいで身体が冷えたのか、
三度目の波が突然やって来ました。
(今度はちゃんとしゃがんでするか・・・そうだっ!!!)
久「今度こそ、上手くいくから」
私は二人の前でもう一度スカートを捲り上げるとショーツを膝まで下ろします。
木「久美子さん、もう辞めて下さい」
石「そんな事しなくても、久美子さんは現場出られますから」
久「大丈夫、大丈夫、ちゃんと見てなさい」
先程とは反対に、上半身を前に曲げ、お尻を突き出すような姿勢にして下腹部の力を抜くと今度は斜め後ろにおしっこが飛び出します。
「おおー!」
二人は声を揃えて驚きます。
男性には真似できない、太くて力強い水流が後ろ向きに地面を抉る様な勢いで飛び散る。
久「これなら座らなくても、上手くいくでしょ、どうよ」
今度は、おしっこが脚やショーツを濡らす事は有りません。最後は勢いが無くなった雫が下に垂れましたが、お尻を突き出しているから、
これ以上ショーツを汚す心配も有りませんでした。
(さて、後始末。あっ、ティッシュはもう全部使い切っちゃったんだ。いいわ、またおしり
を振ろう)
私は、ブン、ブンとお尻を振ると、躊躇うことなくショーツを上げる。
木「完璧ですね」
石「女は立ちションできないなんて、もう言えないですよ」
久「そうでしょ!」
(ショーツが臭かったのは、このせいか)
(私ったら、酔っ払って何て事をしてしまったんだ)
あの二人が昨夜のことを覚えていない事を私は神に祈りました。
(あの二人なら察してくれるよね・・・たぶん)