2023年12月、福岡市内の某駅。
改札を抜けて駅前のバス停に向かう人が時間を気にしてか速足で通り過ぎていく。
そんな駅前広場の端に立って、私は期待で胸を膨らませていた。
黒のニット帽を被りマスクで顔を隠し、足首まで届くダッフルコート。コートの下は
ブラウスに膝上10㎝ほどのハイウエストのミニスカート。
冬に福岡の街で見かける何の変哲もない女性の服装です。
しかし目的はいつもの露出ではない。
(こんなに人が多い場所で出来るかしら・・)
古いアダルトビデオでは、女性が屋外で裸になってオナニーやセックスをしている。
私はそういう物に出演したこともなく、出来るのかも解らない。
ただ屋外で他の人に気付かれないようにしながら気持ち良くなっている女性の姿に
自分を重ねると、公共の場で性的快感を得るという背徳感でどうしようもなく興奮し、
オナニーに没頭してしまうのです。
最近はもう一人の久美子の命令に抗えず、野外で露出オナニーをしてしまった。
その時も心臓が締め付けられるようなスリルと開放感で、部屋でするよりも
何倍も気持ち良い絶頂を得られる。
しかし私の露出欲は留まる事を知らず、今夜は大勢の中でオナニーをする。
加えて今回は滅多に使わない大人のオモチャも持参している。
大勢の前で誰にも気付かれずオモチャでオナニーして絶頂を迎える、以前から
考えていたシチュエーションで、すでに下腹部がきゅんきゅんと疼いている。
私の立っている場所から少し移動すればコインロッカーがあり通りからも陰になる。
そこは通りから奥まっていて、三方向にロッカーが配置され壁変わりになる。
開いている一方向から人は来ないため、そちらに背を向ければ街頭の明かりも
それほど届かない上に手元が見られることはない。
チラッと振り返り背後に人が居ない事を確認すると、コートの前を左右に開いて
スカートを捲る。そのままの勢いでショーツを膝まで下ろす。
この格好なら後ろから見られてもコートの裾で私のお尻は隠れているから見られない。
(そう解ってても、何かドキドキする)
屋外で自分の身体を晒しているという状況に、新たな淫液が子宮の奥から湧出てくるのを
感じながら、コートのポケットに隠しておいた男性器型のディルドを取り出す。
一度電源を入れると、陰核を突起部で虐めながらスイングして膣内を抉るタイプ。
誰に貰ったのか忘れてしまいましたが今日持参したオモチャの一つでした。
それを素早くコートの内側に隠す。
前屈みになり片手で、陰唇を拡げながら、ディルドを持った手を股間の間に差入れ、
黒く光る厭らしい棒を十分濡れている膣内に挿入する。
(挿入ってる・・・外で膣にオモチャ入れてる)
何の変哲もない日常を背に、非日常を味わう。そんな背徳的快楽が体を震わせる。
(奥・・・来たっ!)
蕩けた膣内をゴリゴリと掻き分け刺激しながら、奥まで挿れ終わる。
野外オナニーをすると考えた時からずっと焦らされていた膣壁が、ようやく得た刺激に
歓喜の声を上げる。
しかし今夜のオナニーショーのために準備したオモチャはこれだけではない。
バッグから二つ目のディルドを取り出す。こちらは棒の周囲に疣が付いて回転するタイプ。
これも誰に貰った物なのか覚えていない。
小瓶に入れたローションをディルドの先端に垂らし、片手で尻肉を拡げながら
肛門に押し当てると徐々に力を込めていく。
メリメリとディルドの先端が肛門を押し広げていく感覚が痛い・・・
(あ・・・・)
調教され開発された肛門の入口は狭いものの、ひとたび入ってしまえば直腸内の
フワフワとした柔肉が侵入を許し奥へ奥へと誘う。とはいえ、膣には既にディルドが
入っているので強い圧迫感と共に肛門の奥がゴリゴリと刺激される。
快感をしっかりと感じながら、ディルドを奥まで挿れ終わる。
ディルドの持ち手をクロッチ部分に乗せ、ショーツを上げてディルドを固定する。
「はぁっ・・んん」
二穴同時責めに、より奥まで刺激を受ける。
ショーツは下着としての意味を成しておらず、本来隠されるべき場所からディルドの
持ち手の分だけ伸びてしまい、横から見ると挿入されている様子が丸見えです。
(外で二穴責めなんて変態過ぎるよ)
脳内で自分の惨めな姿に興奮を高めながらスカートとコートを元に戻すと、外を歩く
大勢と同じような普通の服装になる。
(とうとう遣ってしまったんだ)
居ても立っても居られず、ぱっと振り返り物陰から出る。
元いた場所に戻ると視界が開け、そこにはたくさんの通行人。
股間に二本のディルド咥えこんで変態プレイに興じる事など通行人には解らない。
歩く度に敏感な所が擦られ、興奮している私は異質なものなのですから。
目の前に広がる日常と自分の変態さのギャップが背徳的な快感を生み、頭の中が
真っ白になる。
(はぁぁぁっ、これ堪らない)
背後の柱に寄りかかり、下腹部から発せられる大きな快感を体で必死に受け止める。
腰が僅かにビクッビクッと跳ね、二つの穴が交互にリズムを取って締まる。
内壁が二つの疑似男性器から有りもしない子種を搾り取ろうとしている。
「日常」の人達から奇異の目で見られないように、誰かと待ち合わせをしている様に装う。
(この快感凄いわ、何もしてないのに逝きそう)
(ただ人が居るだけなのに、このままオナニーしたらヤバいかも)
そんな単調すぎる思考の元、両ポケットに入っているディルドのスイッチを握りしめる。
まずは小手調べとばかりに、二つ同時に振動機能だけをオンにする。
「あっ!」
絶頂寸前の身体に対して、二つの穴と陰核への刺激。
ディルドをただ入れただけで、刺激を与えず焦らした敏感な部分への刺激に
私の小さな体は当然反応する。身体がビクンと跳ね、小さく喘いでしまう。
ちょうどその時、私の前をスーツ姿の男性が通り過ぎ、チラッとこちらを見る。
一瞬視線が合う。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
一瞬で頭の中が沸騰して、絶頂の快感が胎内を駆け巡る。
(ヤバい、喘ぎ声聞かれたかも)
周りの人と同様「日常」に見えるように、全身に力を入れてなるべく体の震えを抑える。
スマホの画面を眺めるように俯いてギュッと目を閉じる。そうしている間にも、
下腹部から伝わる快感と頭の中から溢れ出る快感の波が次から次へと押し寄せる。
目の前が真っ白になるほどの興奮によって、スイッチを握る手が痺れる。
そうして耐え切った、いつもより長めの絶頂。
目を開けて辺りを見回すと、先ほどと変わらない「日常」の風景。
私の方を見ている人はおらず、「日常」が続いている。
(こんなに大勢いる中で私、逝ったんだ・・誰にも気付かれずに・・)
今、大丈夫だったから次も大丈夫という正常性バイアスが働き思考が鈍くなる。
周囲にバレたら一巻の終わりだが、バレなければ問題ないのだ。
歪んだ認知のせいで気が大きくなる。
(もっと、もっと欲しい、逝きたい・・・)
半ば無意識にディルドのスイッチを弄る。
膣内に入っているディルドはスイングを始め、蜜ツボを掻き回す。
肛門に入っているディルドは回転を始め、周りのイボイボで柔肉を抉る。
絶頂で柔らかくなった両穴を、動きの違う二本の疑似男性器が自由自在に刺激する。
待ち望んだ快感は、抑えようとしていた喘ぎ声が思わず漏れてしまうほどだった。
しかし、漏れ出ているのは声だけではない。
(あっ、玩具の音が意外と大きい)
一番弱いモードとはいえ、ブンブンというモーターの駆動音が、スカートとコートを
辛うじて超えて小さく聞こえている。
今は街の雑踏に紛れるため自分にもあまり聞こえないが、とはいえ近くに来たら他の人にも
聞かれてしまうかもしれない。
(聞こえちゃったらどうしよう・・・)
(オナニーしてるのがバレちゃうかも)
(絶対、変態だと思われるよね)
(もしかしたら何処かに連れ込まれるかも)
こんな際どい状況も、露出性癖の自分にとっては新たな興奮の材料でしかない。
不安そうな心の声とは裏腹に、マスクの中では口元がゆるゆるに緩んでいる。
加えて絶頂の最中だろうとお構いなくディルドに愛撫され続けた前後の穴は
トロトロに蕩けている。
淫液の源流である膣内からはとめどなくお汁が湧き出し、股間の周囲を濡らすだけでは
飽き足らず、玩具を伝ってショーツにまで染みを作る。陰核はぷっくりと紅く膨れ
振動を余すところなく受け、快感を提供し続ける。
(気持ちいいけど、もっと、もっと気持ち良くなりたい)
(もっと激しいオナニーで滅茶苦茶にされたい)
抑えきれない性欲に導かれるまま、ポケットの中で握っているスイッチをもう一度押す。
自らの中で暴れる二本の棒が、犯し続けて柔らかくなった中を今までより強く責め立てると
同時に、下半身から漏れる駆動音が少しだけ大きくなる。
「ふっぅぅぅぅ、はぁぁ」
強さの段階を一つ上げたせいか、心なしかお腹からこみ上げる情欲や感度も一段階
高まったような気がして、余計に体が熱くなってくる。
シチュエーションも相まって身体の中心に快感がどんどん蓄積されているようです。
常に軽く逝っているような感覚で呼吸が荒くなり、過呼吸になりそうです。
多少なりとも快楽の波から逃れようと身体をくねられてしまうが、幸いにも周りには
気付かれていないようです。
(こんな機械に操られて発情するなんて)
ポケットの中を覗き見て、手元のリモコンに表示されている強さを確認すると、
「3」と表示されている。
(まだ強く出来るのよね)
この数字が幾つ迄進むのかは忘れてしまった。
しかしスイッチを押せば確実に振動は強くなり気持ち良くなることは間違いない。
スイッチをあと数回押すだけ。それだけで大勢の人の前で絶頂する。
このスイッチが私を絶頂に導いてくれる。気持ち良くしてくれる。
屋外でオナニーというシチュエーションに理性を犯されてしまっているようで、
快感への強い憧れと思い込みが催眠状態へと誘う。
(私をたくさん気持ちよくしてっ!)
スイッチによって自分の絶頂が管理されてしまうことを、私は受け入れてしまう。
そして、終焉へのカウントダウンを始める。
(いい久美子、迷わず押しなさい)
厭らしい久美子の声が脳内に響き、私の背を押す。掌の中でスイッチを押すと二穴責めが
更に激しくなりキュンキュンというモーター音が少し大きくなる。
快感を得られる場所を絶え間なく刺激し、より強く甘い快感が身体を巡る。
腰がビクンッと跳ね、両穴は男性器を搾り取るようにきゅんきゅんと締め付ける。
スイッチによって絶頂が管理されており、普段であれば絶頂に達するのに十分な快感を
受け取っているのに絶頂できないという強烈な寸止めを味わう。
「んぐっ・・・」
スイッチを押すと男性器の動きは更に激しくなりモーター音は周囲の人にまであっさりと
聞こえてしまいそうでした。
前後の穴はすべてが一級の性感帯となり、押し寄せる快感が嵐のように全身を駆け巡る。
腰がカクカクと細かく前後に震え、ディルドをより奥まで咥え込もうとする腟内がうねる。
先程より明らかに強い刺激を加えているにも関わらず、まだ絶頂できない。
ほんの数メートル前を男性が何人も横切っていくが、オナニーには気付かれていない。
スイッチを押すと股間に埋まる二本の男性器は更に唸り、強く締め付けて狭くなっている
穴の中で無理矢理こじ開けるように蹂躙する。絶頂を禁止された体は下腹部だけでなく
全身が性感帯だと勘違いし始め、服が擦れる刺激にすら快楽を覚える。
待ち望む絶頂はもうすぐそこまで来ている。
(逝きたい、逝きたい!!)
(早く逝きたい、もうおかしくなるぅ!!!)
スイッチはまだ押さない。
(まだ逝かせないわよ)
私の中に居るもう一人の厭らしい久美子がスイッチを押させてくれない。
逝きそうなのに逝けない。寸止めがこれほど辛いとは・・・
(何でもするから、お願い逝かせてぇぇ)
目の前に広がる無数の人の波。私は人の流れの中で快楽を求める雌に成り果て
公衆の面前で見っとも無く絶頂を懇願してしまう。
マスクをしていなければ発情した雌の顔を公衆の面前に晒していたでしょう。。
(ああ、もう無理、無理。限界!)
(もうどうなってもいいから、逝かせて)
もう気持ち良くなる事しか考えられない。近づいて来る女性の姿が視界に入る。
私は決意した・・・
すぐ目の前、確実にディルドの音が聞こえる距離をこの女性が横切る瞬間に
手に力を入れスイッチを押す。
(!!!)
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
すぐ近くを通る人が居るにも関わらず浅ましい喘ぎ声を上げ、股間で大きく振動する
玩具に前後の穴を激しく犯されながら絶頂を迎える。
視界は真っ白に染まっているが、その先では普段と何ら変わらない「日常」が流れる。
ここでは私だけが非日常なのです。
快感で制御できなくなった身体は二本の棒から精子を絞る取るためなのか
壁に寄りかかったまま腰を軽く突き出す格好になる。
スカートに包まれた秘所からは淫液が溢れ出し、太腿を伝い膝まで濡らしている。
マスクの下では涎を垂らしながら、にへらっとこの上なくだらしない笑みをうかべている。
「んふぅぅぅぅ」
気付かれてしまうと解っている物の、深く逝くなかで漏れ出る声が抑えられません。
絶頂から冷め始めたところで気が抜けて、壁伝いにズルズルとしゃがみ込む。
そして自分の下半身に視線を移してミスに気付く。
(正面から見たら、スカートの奥が丸見えじゃない)
大勢の人がいる屋外で気付かれないようにディルドの二本刺しオナニーで絶頂。
そんな姿を晒していることに気付いてしまい、私の脳内からはこれまでとは比べ物に
ならないほどの快楽物質がドバドバと分泌される。
興奮が臨界点を突破して頭が真っ白になる。
(ここから離れなくちゃ駄目)
ふらつく足取りで私はコインロッカーまでどうにか戻る。
理性では駄目だと思っていたはずなのに、絶頂の真っ最中で震える手は止まらない。
太腿の間から右手を入れて膣穴のディルド、お尻側に左手を回して肛門のディルドを握る。
そのまま手首から先をグリグリと動かしてオナニーをする。
(ああ、これ凄い、中が全部気持ちイイ)
絶頂の頂点に達したと思っていたところに追加で快楽が注ぎ込まれて、許容量を超えた
自分の身体が壊れてしまいそうです。玩具の動きだけでは出来ない抽送運動が加わり
機械音はコインロッカー内で響きます。
スカートとコートが捲れて防壁がなくなった正面は一層大きく聞こえるはずで、本当に
気付かれてしまうかもしれない。スリルを快感に変えつつ、ディルドをぎゅっと奥まで
押し込みながら掻き回し、両穴の奥まで余すことなく刺激する。
(見つかったら終わる。けど大きいのが・・・来る・・・あぁ逝く)
動き続けるディルドに悶えることしかできず、今日一番の絶頂が落ち着くまで
しゃがみ込んでひたすら耐えるしか有りませんでした。
どれ位の時間が経ったのかようやく体の自由が効くようになると、コートのポケットに
震える手を入れてバイブのスイッチを消す。しゃがんだまま、大きく深呼吸をしながら
背後を確認するが、特に私に気付いている人は居ない。
(結構、声とか出しちゃったけど気付かれてないよね)
安堵で胸をなでおろしながら立ち上がると、快楽の余韻でふら付きながらも乱れた
衣服を整え、二本のディルドを穴から抜き取り素早く鞄に仕舞います。
(こんなに気持ちイイなんて、次はどんなオナニーしようかな)
なんて考えながら私は帰路につく。