(ああ、辞められない)
(こんな事が誰かにばれたら私は・・・)
思えば思うほどに心臓の鼓動は激しく、身体が熱くなる。きっと私は病気なのです。
平日の23時過ぎ、中途半端に混みあった電車内に私は居る。
電車のドアの脇に立ち、ほんの少しスリルを味わっている。
深夜の特急電車のドアは決まった方向のドアしか開かない。
私がスリルを味わえる時間は僅か5分ほど、そこで降りる駅になってしまう。
ドアに凭れ掛かりガラスに身体をくっつける様に立つ。
それからシャツのボタンをゆっくり外す。
背後の人にも隣のシートに座る人にも気付かれずにゆっくりと一つずつ。
上から4つほどボタンが外れるとシャツの隙間からはブラに包まれた乳房が覗けます。
車外は市街地の明かりで夜でも看板の文字が読める程明るいが私は外へ見せつける様に
ブラをずらして、シャツの隙間から指を入れて見る。
胸の先の地位かな突起物に指先が当たる。
その瞬間、小さな体が跳ね上がりそうになり、マスクの中に小さな声が漏れる。
(あぁぁ駄目)
周囲に気づかれないように絶対声なんか絶対に出せません。
自らを戒めながら、硬く小さな突起物を指先で弾く。
マスクの中では頬が紅潮し緊張感から脚がガクガクと震え始める。
自分のしている背徳の行為に罪悪感を感じながらも開放されたもう一人の自分に
背中を押されてその行為を続けてしまう。
約5分間、私はその開放感から得る快感に酔いしれる。
この電車を利用した行為はこれだけには留まらない。
終電に近い時間帯になるとこの電車は意外と混み合う事が多い。
それでもタイミングが良ければシートに座る事が出来る。
その日も終電間際の電車でした。
飲んで立っているのが苦痛になり我慢できず、太ったおじさんの隣に座ってしまいました。そして向かいの座席に目を向けるとまだ社会人になって数年かなったばかりの若い女性が首が折れたと思えるほどの角度にうな垂れ寝ているではありませんか。
電車の揺れに合わせる様に首がカクッカクッと揺れ、力の抜けた身体から徐々に膝が
広がり始め内腿から下着へとスカートの中を晒し始めました。
(あああ、全部見えちゃうよ)
対面シートに座る女性の恥ずかしい姿が気になりました。
新社会人なのでしょうか、まだスーツもバッグも新しく着こなし方が様になっていません
仕事で疲れたのか飲み会に疲れたのか相当お疲れの様です。
周囲に素早く視線を走らせると私の隣に座る太ったおじさんも新社会人の姿に気付いたようで血走った目が女性のスカートに注がれていました。
この二人をずっと観察していたかったのですが生憎私の方が先に降りる駅に到着してしまい結末を見る事が出来ませんでした。
夏の凄く暑い日でした。夜になったのに気温は30度を下回らない熱帯夜。
アルコールに酔ったせいなのか暑さで頭を遣られてしまったのかは自分でも覚えていません。
電車に乗る前にトイレに行った後、何故かショーツを脱いでそのままホームに向かったのです。そしていつもの同じ時間の電車に乗っていつもと同じ様にドアの脇に立ちました。
(あぁぁ、ドキドキする)
電車のドアがゆっくりと閉まり電車が動き出す。
でもその刺激にも慣れていくと私はどんどん大胆になる。
車内を観察して座れる場所、そしてその向かいに厭らしそうな目つきの男性が
座る場所を探してさまよい始める。一両目、二両目と移動して三両目で遂に目的の場所を
見つけました。
40代後半、真面目そうな眼鏡を掛け常にストレスに曝され続ける絵に描いたような
サラリーマン(公務員かも)の男性
男性の正面に座る時、スカートの裾を少し上げて座ればなるべく見えやすいように
しておきます。座席に座る際にはわざと不満を吐き出すような大きな溜息をついて
男性の注意を私へと引き付けます。最初はピタリと閉じておいた膝を徐々に緩め、
スカートの奥のしっとりと湿った場所へと彼の視線を誘い込みます。
(うわぁ~見てる、見てる、ガン見されてる)
私は脇に抱えたバッグの中身をガサゴソガサゴソいじる演技をしながらスカートの中が
見えるほど両膝を開き、正面の男性に秘部を曝し続ける。
割れ目は見えないかもしれないが陰毛くらいは見えるはずです。
そうで無ければ恐ろしいほど血走った目線を私の下半身へ向けてくるはずが
無いのですから・・・・
(今夜はいつもより大胆にやりなさいよ!)
私の内に居るもう一人の『厭らしい久美子』が囁きます。
震える手でゆっくりとスカートの裾を引っ張り上げる。
右脚の腿を少しシートから浮かせる。
(前からは、どんな風に見えるんだろう?)
自分の恥ずかしい姿を自分で見る事が出来ない事がもどかしい・・・
(ここに変態女が居ますよ)
(入れてくれるのを待っている女が居ますよ)
そう大きな声で叫びながらあそこを弄りたい気持ちで頭がいっぱいになります。
(もう我慢出来ないわ)
その時、電車が停まってドアが開き周囲の人がドアに向かって流れ始める。
シートに座っている人は立ち上がり、スマホを眺めていた人は視線を上げる。
五分という時間は私には短すぎでした。
(もっと愉しみたかったのに・・・)
このモヤモヤした気持ちを私は自宅まで持ち帰らなければならない夜でした。