私は、バスが20時前半でなくなってしまうような田舎に住んでいます。
街灯もほとんど無い道は、22時頃には通る車もほぼありません。
暖かい季節は、休みの前日や勤務先の準夜勤開けの帰りにバイクを止め、静まり返ったバス道を
全裸で歩くのが密かな趣味です。
寒い季節は、深夜勤明け太陽が上がって暖かくなり始めた頃に、山の中の陽だまりで
全裸になり散策するのが密かな趣味です。
オープンな場所でいけない事をしている自分に興奮するので人に見られることは望みません。
そんな私の長年の念願が、「商店街や駅前などの街中を人に見らずに全裸で歩いてみたい」でした。
この前の土曜日お友達と遊び過ぎてひとり遅い電車で駅に着きました。
駅を出ると辺りは、閑散として同じ電車で降りた人がお迎えの車で出発すると辺りは全くの無人でした。
余りの静けさに少し怖くて、遠回りになりますが明るい商店街の中を通ってバイク置き場に行くことにしました。
以前同じような時間に通った時は、人こそ少ないですが歩いている人もいて生活感がありましたが、
その時は、コロナの影響だと思うのですが、人の気配も生活感も感じられませんでした。
抜けるのに1分も掛からない小さな商店街を抜けるころに私の中である思いが芽生えていました。
「今なら裸で商店街を歩けるかも!」でも人の気配が無いとはいえ商店街を全裸で歩く勇気が出ませんでした。
「バイク置き場に行くまで人を見かけなかったら、もう一度駅まで戻ってみよう。それで人を見かけたら帰ろう。見かけなかったら・・・」
自分の中で賭けをして、バイク置き場から駅まで戻りました。
賭けに勝ったのか負けたのか分かりませんが、駅まで人を見かけることはありませんでした。
駅前のバス停の中で服を脱ぎながら寒さなのか怖さなのか私は震えていました。
トートバッグに着ていて物を詰め、そっとバス停を出ました。
キョロキョロを落ち着きなく辺りを見ながら、ガタガタ震えながら商店街の方に歩き始めました。
「次の路地まで行ったら服を着よう、あの店のとこまで行ったら服を着よう。」そんなことを考えながら
自分の中の怖さと心細さと戦いながら歩いていると商店街を抜けていました。
「やった!できた!」念願が叶った瞬間でした。
そのままバイク置き場まで行き達成感を感じながらバックから取り出した下着を着ける時に
「こんな機会はもう無いかも知れない・・。もう一回やってみる?」
一旦着けていた下着をもう一度バッグに戻し、2,3歩歩き出したところで思い直してバッグをバイクに置きました。
商店街を裸で歩いた興奮が私を大胆にさせたようで、手ぶらで、緊急時に隠せる物を持たないで駅まで戻る事にしてしまいました。
無事駅までたどり着き、バイク置き場まで戻る時は、さらに興奮状態だった私は商店街の中を右に左にジグザクに歩いてしまうほどでした。
念願叶った夜。癖になりそうです・・。