大学生時代に一人旅で泊まったホテルで起きた事件です。自分の意思でやったことではないのでここに書き込むのが適当かどうかわかりませんが、誰かに話したい気持ちになったので書き込ませていただきます。
大浴場を貸切状態で使おうと、敢えて深夜1時ごろに入浴をしましたが、脱衣所に戻ると、着てきた浴衣と下着、それからバスタオルも無くなっていました。脱衣所中を探してもどこにもなく、フロントに電話をかけても誰も出ません。取り敢えずびしょ濡れの小さいタオルとドライヤーで身体を乾かして、誰かが来るのを待ちましたが、深夜なので誰も来ません。早く部屋に戻って寝たい気持ちが強くなってきた私は、意を決して全裸のまま部屋に戻ることにしました。ルームキーだけは鍵付きのロッカーに入れていたので無事でした。
小さいタオルで胸から股間までは何とか隠しつつ、脱衣所の暖簾をくぐってホテルの廊下に出ると、自分は何をやってるんだろうという気持ちが込み上げてきました。パタパタと足音が鳴るのでスリッパも手で持ち、常に周囲を見回しながら廊下を歩きつつ、今いる1階から7階の部屋まで戻る道筋を考えました。エレベーターだと人に遭遇した時隠れようがないと思い、階段で上がろうと考えましたが、やはり7階まで上がるのは服を着ていてもキツい距離なので、深夜なので誰も来ないだろうと考えてエレベーターに乗ることにしました。
エレベーターのチャイム音がとても大きく、エレベーターの明かりがとても明るく感じました。中にサッと乗り込み7のボタンと閉のボタンを急いで押しました。これで7階まで上がってしまえば部屋まではあと少しだと思ったのも束の間、エレベーターは3階で止まり、男性が1人乗り込んできました。私はパニックになって、その場で俯いた状態で固まってしまいました。そうしているうちにドアが閉まり、密室になってしまいました。すると男性が「お嬢さん、そういう趣味なの?」と聞いてきましたが、私は怖くて声が出ませんでした。すると男性は「何かあったなら俺の部屋に来なよ」と言いながら、いきなり私のお尻と股を触ってきました。私は咄嗟に階のボタンを闇雲に押すと、6階でエレベーターが止まったので、走って逃げようとしました。男性は「待ってよ」と言いながら腕を掴んできたので、私は咄嗟に手に持っていたスリッパを男性の顔に投げつけ、男性を振り切りました。その一連の過程でタオルを落としてしまいましたが、そのままルームキーだけを手に持って、6階の廊下を全速力で逃げました。息が切れて後ろを振り返りましたが、男性が後ろから追ってくる様子はありませんでした。
階段で7階へ行きたいところですが、私が7階を目指していることは、先程の男性にエレベーターのボタンでおそらくバレていますので、7階で待ち伏せされているかもしれないと思いました。また、男性が7階で降りて、階段で6階まで私を探しに来るかもしれません。取り敢えず階段で一度下に降りることにしました。手で胸と股間を隠し、いつ上から先程の男性が降りてくるかビクビクしながら階段を降りていきました。とにかく安全なところで少し時間を置いてから部屋を目指そうと、トイレを探し、結局2階まで降りることになってしまいましたが、幸運にもそこまで誰にも合わずにトイレに避難することができました。
しばらくトイレで気持ちを落ち着かせたのち、そろそろあの男性も諦めている頃だろうと、再び部屋を目指しました。再び全裸で廊下に出なきゃいけないと思うと心臓が激しく鼓動しました。もうエレベーターに乗るのは怖すぎるので、階段で慎重に7階を目指しました。7階まで誰にも遭遇することはありませんでしたが、階段を上っている間、思い違いかもしれませんが、常に下に人の気配がしているような気がしていました。耳をすませ、周囲を何度も見回しながら、やっとの思いで部屋の前に辿り着きました。部屋の鍵を開け入ろうとした時、やはり誰かの気配を感じて振り返ると、物陰からこちらに向けてスマホを持った手が確かに見えました。私は慌てて部屋に入り、鍵とチェーンをかけました。全裸で歩き回っている時間は果てしなく長く感じ、ようやくホッとしましたが、その日は怖くてなかなか眠れませんでした。
そして朝になって部屋のドアを開けると、ドアの前に浴衣と私の下着が無造作に落ちていました。パンツのクロッチの部分は何だかパリパリしていて、気持ちが悪かったので、捨てました。
今になって思うと、夢だったのかなという気もしますが、それ以来一人旅はやめちゃいました。