サヤカと右手夫妻とその後
次の休みの日、私は娘を伴って、右手夫妻とホテルのレストランで待ち合わせしました。
「田辺、話があるからって、わざわざ食事までおごってくれるのか」
「あぁ、サヤカがずいぶん世話になったからなぁ。ほんの気持ちだよ」
「そんなぁ、大したお世話なんか、してないわ。サヤカちゃん、とっても素直で、真面目に働いてくれてるから、助かってます」
「あぁ、田辺の娘にしちゃあ、とても美人だし、言うことはよく聞くし、鳶が鷹を生んだってとこだな」
「そうよ、ちょっと失敗はあったけど、その後は、仕事の飲み込みは早いし、お客様の扱いも上手くなったし、ちょっとしたセクハラされても全然大丈夫なんだから」
「そのことなんだけどね。セクハラの練習なんかもやってもらって、随分、サヤカも逞しくなったよ。もう、すっかり大人だ。いや、大人以上だ。サヤカをここまでするために、右手や奥さんも、ずいぶん身体を酷使しただろうなと思ってね。お返しをしようと思うんだ」
「お返し?」
「そう、僕も身体を張ってね」
「身体を張る?」
「まあ、男の僕が、男の右手に身体を張るわけにいかないから、奥さんにお返しをしてあげようと思う」
「妻にお返しというと、それはつまり・・・」
「そうさ、僕が奥さんに身体でご奉仕するよ」
「そんなぁ、お父さん、社長さんたち、怒っちゃうわ」
「いいえ、とんでもない。田辺さんに身体でご奉仕してもらえるなんて、こんな嬉しいことないわ」
「あぁ、田辺、だからか、今夜、ホテルのレストランにしたのは。ということは、手際良く部屋も取ってあるんだろう?」
「あぁ、その通りさ。ダブルの部屋を二部屋ね」
「それってお父さん、私も泊まるってこと?」
「その通り。お父さんが奥さんにご奉仕している間、サヤカは、右手に可愛がってもらうといい」
美味しい料理とワインの酔いも手伝って、私たちは、社員旅行でのエピソードで話が盛り上がりました。
「さあ、そろそろ部屋で寛ぐとするか」
私は、もう一つの鍵を、右手に手渡した。
「それじゃ、サヤカを頼む」
「うむ。うちのカミさんもよろしくな」
私たちは、隣り合った二つの部屋に別れました。
私は途中で相手を変えることも考えていたが、右手がサヤカを離さないだろうと思って、朝まで奥さんと肌を重ねていました。
私は、何度射精したか覚えていませんが、奥さんからは、全て彼女の中に出すように頼まれていました。
その三ヶ月後、子種のないはずの右手の奥さんが、妊娠したとわかりました。
子供ができたことを大層喜んでいた右手でしたが、奥さんの出産直前に、交通事故であっけなく亡くなってしまいました。
赤ん坊は、代わりに私が抱き上げてやりました。
私の妻も、それまでガン治療で入院していたのですが、サヤカの就職が決まったのを見届けるように亡くなりました。
妻は、死の直前に、サヤカには私のことを、私にはサヤカのことをお願いと言っていました。
妻は、私とサヤカの本当の気持ちがわかっていたようです。
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ここまでが、九年前の出来事です。
そして、今現在ですが、右手の会社では、奥さんが社長になり、サヤカが専務になってバリバリやっています。
そして、右手の娘(私の子種ですが)は、可愛い盛りで、私のことをパパと呼んで懐いています。
いずれ、サヤカのように私の手で大人にしてあげようと考えています。
それまでは、右手の奥さんとサヤカを満足させながら、現役でいるつもりです。
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