12コ目です。
彼女は時々止まって、下の唇と両脚でペニスを挟んで、大きさを確認するように愛おしむ。僕はそんなときペニスをぴくっと動かして、彼女に支配された狭い空間で少しだけ自分を暴れさせてみた。一方的な愛撫に対して、ペニスを脈動させてちょっとだけ反抗したのだ。すると、彼女は太ももをさらに閉じてこれに答えた。僕たちはこの小さな動きの応酬を繰り返しながら下半身で会話をした。彼女は目と腰で、僕のすべてをどろどろにして飲み込んであげると言い、僕は彼女に、まだ攻め返す力ががありますよ、と返す。
「ふふ」「すっごく、いいよ」
何度目かのやりとりで、彼女は急におかしくなったのか、緊張した顔を崩して笑みをこぼした。そして僕の顔をじっと見るといらずらっぽい顔のまま、耳元で何か言った。頭がすれ違い、体が覆いかぶさって、彼女の胸が僕に触れる。あるいは頬のあたりに短いキスをした、ような気がした 。
上半身、特に顔の動きは危険だった。なぜそんな人目につきそうなリスクをとってまで…と思う間もなく、僕の心は完全に堕ちた。突然の好意の表明に、理性はすべて吹き飛んだ。この瞬間、僕のペニスは彼女だけのもので、この器官はいま、彼女をもてなすためだけに存在を許されている。犯されていたのは自分なのに、彼女を気持ちよくさせてあげたくてたまらなかった。初めて、僕から大きく腰を動かしてみた。
彼女は薄く瞳を閉じて快楽に浸り、ときおり眼を開いて僕を見ると、後ろに回した手で僕を撫でた。自分に快感をもたらすモノを慈しむようでもあり、目の前の男子をついに陥落させたことに満足しているようでもあった。だらしない表情と落ち着かない腰回りをしゃんとさせるために背筋だけが不自然に伸びていて、なんというか、本当にちぐはぐで、色気がある。きっと上品であろう彼女本来の雰囲気をここまで貶めている彼女のエロスに、僕はすっかり呑み込まれていった。
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