追加の乗客で強まった圧力のせいで、僕と彼女の密着具合はさらに高まった。僕の下腹部は、彼女の左右のお尻と尾てい骨あたりで完全に三点留めされていた。僕の後ろは連結部でもう動けるスペースがないので、何とか手すりをつかみ上体を維持している状態だ。彼女を半分抱え込むような形で、腕に力を入れ、彼女をより強い力で押し返す。
胸と腰に均等に力を入れ、なるべく胸から圧力で押し返したが、彼女は腰の位置をキープし三点留めを解除しなかった。電車が揺れるたびに、僕と彼女は一緒に揺れた。結合部を通じた剛体として右に左に動くので嫌でも彼女の存在が意識される。すると、自分の意図とは裏腹に、彼女の真ん中で僕の膨張が始まった。
一度意識してしまうと、逆戻りはできない。夏服の制服は薄く、突起のついた輪郭をごまかすような曖昧さは持ち合わせていなかった。対する彼女のカーディガンも柔軟で伸びがよく、膨張していくそれをだんだんと柔らかく包み込んでいく。僕らを隔てる数枚の布は、幸か不幸かその輪郭を生々しく伝えるような素材で構成されていた。
薄くタイトでないAラインのスカート、カーディガン、制服の夏服、そして僕の下着。衣越しに彼女の柔らかい肉感が伝わってくる。彼女も、微妙に体重のかけ方を変えることで腰を動かし、尾てい骨のあたりで僕の膨らみを確認しているようだった。とても恥ずかしかった。
さきほど停車中に足の踏み場を直したことで、一つ厄介なことが起こっていた。僕は足を半歩後ろに下げたのだが、そこがちょうど連結部の渡り板の上にかかってしまっていたのだ。ここはものすごく揺れる。ガタンゴトンの揺れに合わせて足が上下し、その振動は彼女にも伝わった。彼女はこの避けられない僕の動きを見逃さなかった。
何度かの揺れが続いた後、彼女は少しだけ背伸びをしたかと思うと、三点留めの1点、つまり尾てい骨の部分を解除した。すると、これまで彼女の腰付近で壁のように前方から面で圧迫されていた僕のモノは、壁の割れ目という突破点を得ることで一時の自由を得て、前方にゆっくりとせり出し、彼女のお尻の奥に吸い込まれていった。
左右のお尻からの圧迫は依然として僕を自由にしないが、先端は柔らかい肉の海を進むと、やがて何もない空間に到達した。お尻の下、太ももの間の空間だと思われる。宙に浮いているような、真空の中にいるような不思議な空間。僕の根本は彼女の堂々と張った尻に固定されていたが、最も卑猥な先端部は彼女の繊細なエリアから抜け出したようだった。僕と彼女の決定的な接触はまだ避けられていた。
そこからしばらく彼女も僕も動かなかった。僕はこの不思議な真空に安心していた。ひとまずはここから動かなければ、彼女をこれ以上刺激せず、これ以上事は進まないという安心。一方、彼女はと言えば、まだ自分の起こした背伸びのアクションが偶然の産物だと言い訳するように、僕の根元を挟み込んだままそこにじっとしていた。
僕が先ほど密着するのを拒否していたので、自分の行為が受け入れられたのか、こちらの出方をうかがっているのかもしれない。ここで絶対に動いてはいけない。動いたら、動いたほうが意図的に始めたことになる。にらみ合いの沈黙が続いた。
しかし事が動き出すのは時間の問題だった。というか彼女はその瞬間を待っていたのかもしれない。電車がポイントを通りレールの継ぎ目を超えると、その振動が僕の体を伝わった。連結部の渡り板から足を伝って股間まで、突き上げるような衝撃が伝わる。すると、真空ゾーンにいた僕の先端はあっけなく、彼女の密壺あたりを押し上げた。彼女は、足の間にいた僕のソレが腰の高さまで戻ってきたと感知した途端、免罪符を得たかのようにスイッチが入った。
ちょうど、電車がブレーキをして暗いトンネルに入る頃、2点留めは解除された。彼女は少し足を開いてゆっくりと重心を落とし、密壺のあたりに先端が当たるようにポジションを取り直した。ゆっくりとカーディガンの表面がこすれる感触が伝わってくる。もう、彼女が意図的に動いているのは明白だった。
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