結婚生活の2年目頃から、僕の心の中に「慢心」が入ってきました。
なぜなら、仕事は順調。新しいプロジェクトの責任者も任され、仕事上では忙しい中にも充実感を感じていたものの、それと同時に蓄積されていく、「仕事のストレス」を、舞香にぶつけるようになっていたのです。家も夜遅くに帰り、夕食も同僚と飲み屋で済ましてくることも多くなっていました。
おそらく、「舞香はいつでもいてくれる」という、僕の傲慢な本性が出てきていたんだと思います。知人、同僚とキャクラへ行き、無駄金を使い、そんなところで僕はストレス発散をしていましたが、舞香はそれに気が付いていたと思いますが、一般的にはその程度の事では結婚生活は崩壊しませんので、舞香も舞香なりに、なにか僕に言いたいこともあったかもしれませんが、しっかり忍耐してついてきてくれていました。
そんな「やや荒れた生活の中」あの、徳山との再会があったのです。
条件は似たようなものでした。僕が繁華街で同僚と飲んで酔っ払って気が大きくなっていた時、
「お前らもう帰るなら、俺一人でオネーチャンの店いってくるわ」と一人でキャバクラに行ったとき、その同じ店に、徳山率いる3,4名の暴力団(暴力団である事は隠しての入店ですが)と店内で遭遇してしまったのです。
それから崩壊の始まりでした。酔っ払って気が大きくなっていた僕は、「おうw 徳山じゃないか!」と、あたかも徳山の取り巻き(下っ端)の前で、息がって見せたかったのか、徳山を呼び捨てにし、自分が格上である事を見せつけたかったのか、その時に徳山と同じテーブルで酒を飲み、連絡先まで交換してしまったのです。
それから、僕の暴力団との黒い交際が始まりました。
昼間はふつうのサラリーマン。しかし、夜になると徳山と付き合うようになったのです。徳山と付き合う事のメリットは、僕が徳山と対等の立場というだけで、徳山の取り巻きの子分が、ヘイヘイと
タバコを買いに行くのも変わりに行ってくれる事。そしてあらゆる飲み代等がタダ。キャバクラへいくのもタダ。ちょっと靴やカバンが欲しいと思ってもタダ。
暴力団組員として成功を収めている徳山からの、「最初の甘い汁」でした。
徳山と付き合い始めて数カ月が経過した時、それまで反社会勢力の実態など、何も知らない僕は、徳山から「新しいビジネス」という事で不動産関係の会社を立ち上げたいので、ぜひ「顧問としてこのプロジェクトに参加してほしい」等という甘い言葉に踊らされた結果、気が付けば「連帯保証人」という立場まで押し上げられていました。
頭の中では(ヤクザの連帯保証人・・・何事もなければいいが。。。)と不安で眠れない時もありましたが、(いあ、、問題ないだろ。。会社自体はふつうのやり方だしな。。)と自分に言い聞かせたり、、その頃から舞香からも「悩みでもある?なにか変よ?」と心配され始めていたのです。
真面目なサラリーマンとは違う裏の顔。夜になれば妻に隠れて暴力団の準構成員として、ヤクザ稼業を手伝っている。そんな感じでした。
そして、彼らの思うように白い名前(クレジットカードを申請できる、銀行口座の名義貸し等)を使われて、それなりに莫大な報酬も受け取りましたが、結局、僕はいいように使われていたのです。
このあたりの経緯の事は、もう解決した事柄であるので、わざわざ蒸し返して詳しくは話しませんが、
そのような経緯があった事で、結果・・・・僕は暴力団組織へ、2000万の借金を背負う事になってしまったのです。すべて事業が失敗した責任を取らされた形になったのです。
「小西よぉ。。。お前なぁ?ウチからあんだけ世話になって色々やってもらって、ビジネスチャンスもあげたのに、それをお前の力不足で壊してしまって、その挙句に、責任とれないって、、、それはスジとしておかしいだろうよ・・・」
とドスの効いた声で徳山から言われたのです。あの時の徳山の顔は今でも忘れません。
それから、借金のカタとして、まず車がとられました。妻には、「友達の車が壊れてどうしても困ってるっていうから、数カ月貸してあげてるだけ。俺たち車はそんなに乗らないけどいいだろ?」と嘘をつきました。舞香は「まぁいいけど?」と言ってました。
そして次に、作れるだけのクレジットカードを作らされました。また他にも時計、貴金属、舞香にバレない程度に換金し、それも十万単位で返済する事も何度かやりました。
(もう、妻と別れて首くくったほうが楽なんじゃ。。。。)とまで思いました。
それから徳山の配慮もあって、借金を大幅に減額してもらったり、2000万近くあった借金が、残り500万くらいまで減った頃の話しです。
徳山「残り500万か。。。そうだなー、、、こんな事いいたくないけど、お前の奥さん、まだ25くらいだろ?AVどうだ?AV出演で残りすべて帳消しにしてやってもいいぞ。飲み行ったときお前、調子のって嫁さんの写真とか見せてきただろ、あれだけの上玉だからなぁ、考えてみろよ」
と言われたのです。
むろん、「断る」と言いました。舞香をAV出演させるくらいなら、もう舞香と離縁し、僕一人で煮られるなり、焼かれるなりしたほうがいい。と思ったからです。そこまで僕は腐敗していませんでした。
すると徳山は、「なら、うちのオヤジ(徳山の組の組長の事)の専属のヘルススタッフっていうのはどうだ?これなら少し時間はかかるが、普通にお前が500万かえすよりも確実に簡単に早く返済できるぞ?」と言ってきたのです。
僕は「じゃ、、考えてみるよ・・・」とその場を後にしたのです。
(これからどうしよう。。もう無理だ。。すべて舞香に打ち明けて、離婚して舞香に害が及ばないようにし、、ここまでやって情けなくて卑怯だけど、、警察へいくか。。俺もなんらかの罪で裁かれるだろうけど・・・・・)
と覚悟を決めたのです。
そして、その晩、僕はすべて舞香に打ち明けました。
ここ半年、家に帰るのが遅かったことから始まり、羽振りがよくなっていった事、そして車がなくなった事、そして時計やブランドの靴が無くなったりしたこと、すべてを打ち明けました。
そして最後に。。。。。「その、徳山っていう奴が所属している組の親分が、、残りの500万の借金のカタに・・・・・・・・・・・・・・」
と、最後の下りまで赤裸々に打ち明けたのです。
すると舞香は、意外と覚悟が決まった様子で、しっかりとした口調で答えました。
舞香「ふーん。羽振りがよかったのはそういう事があったのね。わかった。」
僕「わかったって・・・?」
舞香「まー、相手はヤクザっていってるし、このまま逃げる事なんてできないと思う。それに、私にプレゼントした指輪とか服とか、ぜんぶ、その徳山っていう人からもらったお金でかってたというわけだよね。」
僕「ああ。。、」
舞香「クルマとか、アクセサリーとかは今更どうでもいい。大事なのは残りの500万っていうこと。とりあえず、もう売れる物は全部売っちゃおう。そしたら100万か、150万くらいにはなるかもしれないよ。私だって化粧品とか使ってないやつ一杯あるし、会社のイベントでもらった未開封のカバンや靴とか服もあるから、とにかく、普通に借金返済をしよう。まずはそれから。 あ、そうそう。ちゃんとした紙に、借金の残高と、相手の証文をとってきてね。裁判とか資料で有効な、相手の証文がしっかりあるやつね。それがないと、いつまでたってもズルズルとおカネを搾り取られるから。」
こういうとき、女性って強いのかもしれません。ある意味、男とは違って、すっぱり割り切りができるというか。
それから僕は徳山に連絡し、これ以上お互いに害が広がらないよう、僕名義の通帳や印鑑、クレジットカード等を返してもらい、それから僕名義で買った物品の金額分を借金から差し引き、そして「借金残り380万 返済すれば一切の紛争なくこの件を終了させる」との旨を書いた紙に、徳山と僕が署名捺印したものを2枚作製し、それぞれ1枚を手元に保管しました。
それから売れるものは全部売るという執念と、(絶対に舞香を寝取らせたりしない)という覚悟のもとのに迅速に動き回り、さらに150万くらいのおカネを作りました。10万、20万単位で返済していき、返済する度に、、徳山から「20万受領」と署名捺印してもらい、そして借金は正式に250万にへったのです。
そして・・・
舞香「250万、、これ以上は無理かー。。。。 ま、覚悟はしてたけど。 よしわかった。徳山っていう人に電話して。私、もうするよ。その組長のなんとか。っていう役目」
僕「おい!!!それをしないために今まで頑張ってきたんだろ!!!! 簡単に言うなよ!!!!」
舞香「簡単?簡単に言ってると思う? 元をただせば・・・・・」
という具合に、激しい夫婦喧嘩になりました。
ですが結局、冷静に考えたら、もう家財道具も最低限のものは残して売り払って売れるものはない。貴金属、アクセサリー、時計、そういうものもない。
だけど、その中でも一番心配だった、クレジットカードの名義とか、そういうものは全部借金から引いて取り返しており、名義貸しした状態で使われ続ける事はないという、不幸中の幸いだったのは、その点だけは解決したところ。
冷静に考え、どこをどうみても、キレイな借金250万円。だけが残っていたのです。
物事は簡単ではありませんでした。3日3晩、舞香とこの件で口論しました。
それもらちあかず・・・・・話し合った結果、舞香の姿勢は崩れませんでした。
僕「徳山?俺だけど。あの借金の件なんだけど、残り250万だったよな? あのー、、、まえいってたAVなんだけど、顔出しは無しで、なおかつ俺が撮影現場に立ち会うっていう事で、、一発帳消ししてもらう事できる?」
徳山「モザイクってことか?それだと価値さがるからな・・・。まぁ聞いてみるよ」
それから数日後。。。
徳山「確認したら、モザイクでもいいって。じゃ、出演契約とるから奥さんと一緒に事務所、、いや、ラブホにしようか。AVは組関係ないし。だったら場所指定するから、奥さんと来てくれ。印鑑忘れるなよ。あと生理中とかなら無理だからな。体調のいいときに来てくれたらいい」
そういって話が終わりました。
そして、「超絶アクメ!イキ狂う不倫妻美香」(仮称)の撮影の契約用紙に、僕の立ち会いのもと、不安そうな舞香が署名捺印する3日前の出来事でした。
<ここまではなるべく話しを簡潔にまとめようと、シーンと飛ばし飛ばし書いてきましたが、次回はじっくりと書いていく予定です。そして、なぜ僕がこの体験談を書こうと思ったのかのあとがきも添えたいと思いますのでよろしくお願いいたします。>
※元投稿はこちら >>