高校に入って息子はしばらくは真面目にしていました。
息子には、これ以上恋人ではないさきちゃんに変なことをしないようにとくれぐれも言い聞かせました。
恋人ではないからダメ、ちゃんとさきちゃんを恋人にするんなら良いよ、と言うニュアンスで言ったつもりでした。
しかし息子はどうしても母親から離れていくものです。
高校二年生になってまた周りの女の子からチヤホヤされて良い気になってるらしいと噂を聞いてハラハラもするし腹も立つしで時々説教するんですが、もう私の言うことなど聞き耳を持たない風でした。
息子のことで悩んでる私にとってさきちゃんは癒しでした。
元のように親戚の農業のお手伝いもするし、仕事をしているお母さんの代わりに家事もして、それでいて進学校でも成績が学年のほぼ上位1割に入っていました。
しかも二年生からは生徒会の書記に選挙で選ばれてています。
もう中学生の時のように息子への連絡では来ませんが、テスト等の度に成績が良くても悪くても私のところに報告に来てくれました。
私にもさきちゃんみたいな可愛い娘がいたらなあ、と思いましたし、息子の嫁に...と言う希望も持ち続けていました。
二年生の夏休みにさきちゃんにお母さんと二人で温泉にでも行かせてあげたいと考えて、宿の予約まで取ったのですがお母さんがどうしても外せない仕事を受けてしまい行けなくなりました。
キャンセルする前に冗談半分に息子に、私と二人で行く?と聞いたら、お母さんとさきちゃんとで行けよ、と息子にしては良い案を出してくれました。
私がこれも冗談半分に、貴方とさきちゃんとでも良いのよ、と返したら笑って受け流してもらえると思っていたのが、息子は真面目な顔でしばらく考えてから、
うーん、まだ今回は止めとく。
と言いました。
とても恐縮してるさきちゃんを説得して一泊二日の温泉旅行でした。
温泉と言うとどうしても私の子供時代の暗いイメージが浮かびますが、それとは違う温泉でしたし、町全体の雰囲気も明るく家族で楽しむような場所でした。
生まれてから温泉等殆ど行ったことがないと言うさきちゃんと大露天浴場に行きましたが、そこはその頃ではもう珍しくなってる混浴でした。
日中まだ早い時間帯だったせいか幸い中には誰も入っていませんでしたので今の内にとさきちゃんと入りました。
さきちゃんは私に身体を見られるのが恥ずかしいようでしたが、その様子も可愛く思えました。
温泉に慣れてきたさきちゃんが私の背中を流してくれたからお返しに私も恐縮するさきちゃんの背中を半ば強引に流してあげましたが、やはり痩せていて良く言えば華奢ですが発育が悪いように思えました。
そんな目で見ていたせいか、いつの間にかさきちゃんの薄い胸や下の生え際などに視線が行ってしまい、さきちゃんに恥ずかしい思いをさせてしまいました。
息子のことを叱れない!と自分を笑いたくなりました。二人だけで温泉に入っていたのですが、そろそろ上がろうと思った頃に40年配のご夫婦が入って来ました。
さきちゃんは大きな浴槽に座っていて、腰はタオルを乗せて隠れていましたが、はっとして胸を両手で隠しました。
私がさきちゃんに、
こんな所ではそんなに意識して隠すと、自分がいやらしい目付きで見たのだろうか、と相手の方が不愉快な思いをするのよ
と教えてあげました。
さきちゃんが顔を真っ赤にして、これも生真面目にごめんなさい、と謝ると相手の奥さんが、
本当に可愛い娘さんね
と誉めてくれました。
さきちゃんの母親では無いのに私はとても誇らしく嬉しく思いました。
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