悪戯から…
大粒の雨はあっと言う間に土砂降りになり、私は近道をするために公園を横切り舗装されていない林の小道を走りました。
雨風は激しさを増して、ずぶ濡れの私は急いでいました。
あと少しで林を抜ける所で突風と小道の窪みにはまり態勢を崩して転倒してしまいました。
やっと立ち上がり、自転車を起こすと服やスカートは泥だらけで、大粒の雨が泥の付いた膝を洗い流すとうっすらと血も流れ出していました。
私の頭の中は、朝の母との約束を思い出していました。
怪我をした足を引きずるようにずぶ濡れの私は自転車を押して歩いていました。
林を抜け舗装された道路に出ると雷も鳴り始めてて怖くて仕方なかった。
ピッピッ!と音がして振り返ると一台の軽トラックが近付いてきました。
私の横に止まったトラックから一人の男の人が降りてきて「おいおぃ大丈夫か、怪我もしてるし」と男の人もずぶ濡れになりながら話し掛けてきました。
「とりあえず車に乗りな」と言われて少し警戒しましたが、言われるままに自転車のスタンドを立ててトラックの助手席に乗りました。
ずぶ濡れになり、膝を怪我した私は警戒もすることなく男の人にこれまでの事を話すと「お母さんとの約束を破ったバチが当たったのかもな」と言われて、その通りだったから仕方無いと思いました。
「このままで帰ったら、間違いなく叱られるな」と言われ憂鬱になりました。
男の人に「叱られない様に証拠隠滅しないとな」と話し出すと私は男の人の提案に賛成しました。
話がまとまるとトラックの荷台に自転車を積んで男の人の家に向かいました。
男の人の家に向かう間に色んな提案に私はこれで母親に叱られないで済むと思いました。
少し走ると男の人の家に着きました。
家に迎え入れられ中に入ると一匹の猫が居ました。
男の人の提案の様に泥だらけの服やスカート、下着も脱いで男の人に言われるように洗濯機に入れて、渡されたバスタオルで濡れた髪やまだ腕や足に付いた泥を拭き取りました。
新しいバスタオルを身体に巻いて男の人と一緒に部屋に入りました。
畳の上に座ると猫が近寄ってきました。
「これで遊んでみな」と猫じゃらしを渡されて、猫の方にパタパタするとすぐに飛び付いてきました。
夢中で猫と遊んでると、バスタオルが脱げてしまったりしててその都度身体に巻き付けていました。
男の人はそんな様子を見て笑っていました。
猫が好きな私は夢中で猫と追い掛けっこしたりしてて、バスタオルが脱げてもそのままの格好で遊んでいました。
警戒心なんか全然無くなっていました。
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