自分をレイプした相手と付き合うなんて、自分でもバカだと思う。
その上シンジは、ちっとも優しくないし、性格も悪い。女を人とも思っていないような所がある。
そしてさらに、女癖が悪かった。
一応彼女ということになったので、彼の家にちょいちょい通っては、抱いてもらった。
だがシンジは、あたしと付き合ってても平気で別の女を作り、家に呼んだりしたので、何度か鉢合わせし、修羅場になったこともある。
それでもあたしは、ほとぼりが冷めると平気でまた、シンジの家に通ったし、彼も来るなとは言わなかった。
元々が、惚れて付き合ってる訳でもないので、彼に他に女ができても大して気にならなかったのだ。ただ、邪魔なだけ。
あたしがそんな風だったこともあり、二人とも成人した今も、付かず離れずの関係が続いている。
あたしはと言えば、シンジに抱かれる度に、これまで感じていた苛立ち、居場所のなさみたいなのが薄れて行き、悪いことをしたい理由がなくなって行った。
そのおかげで、中学を出ると、バカ校だが何とか高校に進学できた。
ジミ子は… そのままいつまでも登校せず、引きこもりになってしまいそうだった。
シンジに会いに行く度に顔を合わせるし、シンジも心配しているので、さすがに何とかしなきゃマズイと思い、少しずつ彼女と話すようにした。
いくら復讐を果たしたと言っても、散々自分をイジメていたあたしと、すぐに仲直り、お友達、という訳には行かなかったが、次第に、シンジと一緒なら雑談くらいはするようになった。
あたしは思い切って
「あんただって、このまま引きこもりになりたい訳じゃないでしょ?」
と問い詰めた。
「…あのこと、みんな知ってるの?」
なんと、彼女は自分が教室で脱がされ、男子の前でアソコの襞まで広げて見せられたことを、クラスのみんなに知られた、と思っていたのだ。
「そんなことあるわけないじゃん。あんなことしたなんて、あたしも、ケンジ達も、話題にもできないよ。あの時いた連中以外、誰も知らない。」
それを聞いて涼子は、心底ホッとした顔をした。
それからしばらくして、やっと彼女は学校に来た。
あたしがわざと、彼女のそばに行って親しげに話しかけるので、また、ジミ子じゃなく「涼子」と呼んでいるので、クラスの連中は呆気に取られていた。
けど、このあたしの柄にもないお節介のせいで、涼子はまたしても、えらい目に遭うことになる。
でもそれは、もうあたしの体験じゃないので、別の機会に話すことにします。
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