「ねえ、ドライブしてよ、いいでしょ」健さんが温和しいので、つい私は馴れ馴れしくなってしまいます。母に断ると、「三時には戻るのよ」と言う叔母の声を後にして、私達は出かけました。取り立てて眺めが良い町でもなく、眺望が聞く場所は遠いのでただ走り回るだけです(笑)畑道に入って行ったときに「ちょっと運転してみたい」と言ってみました。「え、無理だよ」当然断られます。「え~ダメ~」健さんの顔を見上げながら甘え声で残念がります。健さんは車を農道止めて「ハンドル握るだけ」と言ってくれました。やっぱり優しい(笑)。運転席でハンドルを握ります、私の身長ではペダルに足が届きません。「やっぱり走らせてみた~い」ハンドルを左右に振りながら言いました。健さんがちょっと真剣そうに「美帆ちゃん、やってみる?」と聞いてきました。当然「え、いいの!やるやる!」と私。でもどうするのかな?と思っていると、健さんは私を立たせて席を替わり、自分の膝に私を乗せました。たちまちその意図するところがわかり、歓声を上げてハンドルを握りました。健さんの手が私の手に添えられ、ゆるゆると走行を始めました。クラッチ、アクセル、ギアチェンジ様々の操作があります、なにしろオートマはほとんど存在しなかった世の中でしたから(笑)
背中全体で健さんの温もりを感じます、短いスカートから剥き出しの脚が健さんの脚に挟まれるように伸びています、髪の毛が健さんの顔に触れています。二人は暑苦しいほど密着しながら夏の農道を車を走らせて行きます、窓から吹き込む風が顔をなぶって心地よいのでした。
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