5年前、僕の祖母が亡くなった。最後まで看病した母は疲れからか、小さい身体が更に小さくなっていた。
母は火葬場で泣いていた。姑になる祖母とうまくやって来ていたのだろう。一人、異常に号泣していました。
親戚のおじさんがそんな母を心配して、「お母さんに付いていてやり。」と僕に言ってきた。母の後ろに立ち、もしものために腕を掴んで支えた。
その時に思った。「オカン、こんなに小さかったっけ?」。痩せたのもあるが、初めてか弱さを見てしまった。母は超人ではなく、普通の人間なんだと。
その日からか、どことなく母を意識するようになっていった。気になる存在になってしまったのだ。それまで、母の顔など気にしたこともなかった。
普段口うるさいだけのおばさん、そんなイメージの人だった。しかし、ちゃんと顔を見ると普通に可愛い人だった。背が小さいので、余計に可愛く見える。
母の口うるさいのは、もう馴れている。とすると、残るのは「この女は可愛い。」、これだけになる。いつしか、理想の女性になってしまっていたのだ。
半分泣きながら、オマンコから流れ出る精液の掃除をする母。僕は気にせずに服を着て、部屋を出る。声を掛けたりはしない。
翌日、帰宅するとテーブルの上に母の書き置きを見つけた。単身赴任してる父のところに行くという内容だった。逃げたか。
しばらく帰って来ないだろうと思い、僕はそれなりの生活を始めた。しかし、3日で母は帰宅をする。後で分かることだが、ここで父と母に何かがあったのだ。
帰って来た母は、どこか元気がなかった。僕の前では冷静を装ってはいるが、考え込む姿がよく見られるようになる。
自分の部屋に向かった母。その姿を目で追いつつ、僕も準備に取り掛かる。3日ぶりに、のこのこと現れた獲物である。ほおっておく訳がない。
母の部屋の前で、音を立てて服を脱ぎ捨てる。下着姿になって、部屋に入った。母の顔は、やはり動揺していたが、すでに目が赤く潤んでる。泣いていたのだ。
その顔を見てしまい、さすがに躊躇してしまう。しかし僕の方も、こんな格好で現れた以上、もう引っ込みが着かなかった。
僕は、母の上に飛び乗った。すぐに母は両手で顔を覆い、泣き顔を隠した。「泣いとんのか?」と聞いたが、顔を隠したまま何も喋らない。
意地悪に片手を取ると、その目は僕をギラッと睨んだ。もう一方を剥ぎ取ると、両目から涙が溢れる母の姿が見えた。
「どおしたんや?」と聞いてみた。唇を噛んで我慢していた母も、その一言で気が緩んだ。号泣をし始めたのだ。相当、うっぷんが溜まっていたのだろう。
僕に両手を掴まれているために、涙の拭けない母。全て、目じりから流れ落ちていました。涙目が、たまに僕の顔を見ていました。
その目がどこかか弱く思え、唇を奪っていました。「キスはせんって言うたやろ!」と泣きながら母は約束を言いました。
しかし母の小さな顔は、僕の大きな両手に鷲掴みにされ、どこへも逃げられず、僕の唇を受けとめ続けていました。
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