その週の(金)、私は学部長室に呼ばれた。
学部長の話の内容は、A大学のT先生がこの春優退されて名誉教授に就任される。現場の研究者から引退し、権威になられるということだ。ついては優待パーティーに出席するにあたり、病気の奥様の代わりを妻に頼みたいとのことだった。要するに、パーティーの同伴者を頼むということだ。
すぐにでも返事が欲しいらしいが、私は「妻に確認します。少しお時間をください。」と日程と時間をメモしながら伝えてた。
学部長は了解してくれた。
学部長は研究内容の話を始めた。
私の研究に興味を示して下さり、期待しているとまで仰って下さった。正直、嬉しかったが、それが何を示唆するものなのかは私でもわかった。
その夜、妻に放した。
妻は「ええよ。いつ?」
簡単に答えが帰ってきた。
意外だった。
私「ホンマにええんか!?」
妻「うん、美味しいもん食べれるんやろ!?」
妻は元々、食に拘るタイプではない。
私は複雑な想いを抱きつつ「すまんな。」と言った。
(月)、学部長室を尋ね、了承した旨を伝えた。学部長は冷静に「すまない、君には借りが出来たな」と言った。秘書が案内状のコピーを持ってきた。
3週間後の((土) 15時
場所はホテル○○
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