ひろさんに抱かれるために、団地廃屋の一角で待つようになって、どのぐらい経つだろう?私は毎日日課のように、出社を早めてから、炎天下20分程度、ひろさんが現れるのを待っている。時折、ナンパ目的と、本当の凌辱目的のために、声をかけてくる男性たちがいる。人家のない一角で誰とも知れず待つ私に興味を示しつつあり、舐めるように動画を撮ったり、写真札をしていく人もいれば、声をかけて自分のものにしようとする人たちもいる。私は丁重に断りはするものの、強引に車に乗せようとする人もいれば、腕を引っ張ってどこへと知れず連れ去ろうとする人もいる。中には強引にキスをして、身体の一部に触れて、私を意図的に気持ち良くすることで自分の気を引こうとする人たちもいる。
そんな危険な目に遭っても、私は待っていた。そうしていると誰からも声をかけられないようになった。それでほっと一安心して、夏が終わろうとする季節を楽しみながら、ひろさんをじっくり待てるようになっていた。
ひろさんは時折現れて、私を誘拐していく。ひろさんにだけは誘拐されてしまう。後ろ手に縛られて車に乗せられる時もあれば、目と目で通じ合って、後部座席に乗ることもある。後部座席で既に私の身体は潤い濡れていて、いつでも受け入れることができる。
目立たないように過ごしてきて何の魅力もなかった私が、いろいろな男性に性的な目的の為に声をかけられて、強引にでもじぶんのものにしようとされるようになったのは、ひろさんが引き出した魅力のせいだ。私はそれでもうまく逃げ切っていた。ひろさんのものとしての自覚がそうさせていたのかもしれない。
隣人のおじさんは私がハーブの手入れなどをしていても、相変わらず写真を撮影しているが、声をかけてこないようになった。私の中に何か大きな変化を感じ取ったのかもしれない。未練がましそうに私を見ている。
ひろさんに抱かれる時にもあらゆる抵抗をしてみるものの簡単に陥落して、犯されてしまう。着飾った服も、選んで身につけた下着もいとも簡単に。
ひろさんに犯されながら、涙がぽろぽろとこぼれる時がある。自分でも意味が分からない。腰を使い貫いたもので欲望に任せて私がいって、ひろさんがいくまで延々と続く儀式の果ては、これ以上ない幸福だ。いっていっていって、何度もいった極地の幸福かもしれない。
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