ひろさんに抱かれてから、一晩経っても余韻は心身に残ったままで、押し広げられた秘部からも、身体の隅々まで唇や指が這った感覚が消えずにいた。それは最初は嫌だと強く感じていながら、女性として、人として、ひろさんを受け入れたとおもってもいいのかもしれなかった。それぐらい身体の相性は良かったのかもしれない。胎内を蠢く異質なものとは一体感を感じて、身体と身体、精神と精神が混ざり合って、一つの生き物として存在していた。柔肌を強引に押し広げられて、無理やり犯されてしまったにもかかわらず。そこまでして、ひろさんは私をものにしたかったのか?もっと他の方法もあったのではなかったか?正攻法で、恋から愛に発展して、一つになるという図式もあったにもかかわらず、ひろさんは私の心身を強引に犯した。
どこかに訴える?しかしそんな想いは微塵もおきなかった。私こそこうなる形をずっとずっと求めていて、求めていたからこそ引き寄せて、目の前に現れてくれた侵入者であり、恋人であり、愛人だった。表向きは清楚に整った生活をしつつも、陰陽併せ持つのが人間の性。そんな清楚な一面を犯して、ずたずたにされたかったのは外でもない自分だったのではないかと思う。ひろさんのように紳士的にスマートな形で、私の欲望を満たしてくれたのは私にとって幸運な事だったかもしれない。もしかしたら、ひろさんではなくて、野蛮で目的の為には心身ともに傷つけて、破壊することを厭わない征服者もいたはずだ。
そんな征服者を引き寄せずに、ひろさんのように紳士的な方に、互いの目的を体で看取りつつ、一つに慣れたことは幸せなことではなかったか?私はいつの頃からか、誰かに強引に犯されて、性欲を満たすために存在したいと思ったことがあったが、まさしく思ったようにひろさんは私を導いてくれた。
そして、また会ってくれることを約束してくれた。彼は隣人のように、私の生活を破綻させるようなことは考えてはいない、その確信があった。
その確信があるから、一晩経ってもその快楽の余韻に浸って、いつまでも熱を帯びた体が、じんじんとうずくように気持ち良さで満たされているのだ。
連絡先を渡されたので今度は私から連絡して、抱かれる為だけに赴きたいと思った。
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