昨夜、仕事が終わり、遅い時間に最寄り駅に着いた。
いつもの通り慣れた帰り道。
私が男に声をかけた場所に辿り着く。
足を止めて考える。
『私があの時、声をかけなければ…』
『アイツは誰だったの…?』
『私は今後、困っている人がいたら、躊躇うことなく手を差し伸べられるだろうか…』
『私は今後、普通にSEXができるのかな…?』
『やっぱり私はおかしいのかな?』
端からみれば下らないだろうことも、僅かな間にあれこれ考えた。
またゆっくりと歩み出す。
少し進んだ先の交差点。
ここをこっちに行けば自分の家。
ここをこっちに行けば男の家。
私はまたそこで立ち止まっていた。
『眠いしなぁ』
『帰って返レスもしないとなぁ』
『1人で行くなと心配してくれてるしなぁ』
『行ったところでなぁ…』
しばらく考えていた。
とりあえずもう一度、家を確認だけしておこうと思った。
土地勘がある近所とはいえ、普段はあまり通らない、似た賃貸物件もたくさんある。
記憶が新しいうちに…。
私は交差点を、男の家の方へ曲がった。
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