職権乱用体験告白

痴漢被害者の場合－２

最初の事情徴集から、冷却期間を置いた３日後、痴漢被害者である由美さん
（以下敬称略）を、ある場所に呼び出した。
この時の担当も、前回のＫ刑事と私、そして何故か交通課のＴ警部補も同行してい
た。
最初の取り調べで、あまり良い印象を持たなかった被害者に対する、
気配りの意味で、刑事課長が第３者を加えたものと想像していた。

我々３人を乗せた車は、待ち合わせ場所で待っていた、被害者の由美を拾って、
どこか事務所か倉庫の様な場所に着いた。
全く初めての所なので、どういう場所なのか、それとなくＫ先輩刑事に尋ねた。
彼の話によると、警察署内では出来ないような現場検証を行う為の、
刑事課の分室があるとのことであった。
しかし、今までそんなものがあるとは、一度も聞いたことがない。
Ｋ刑事とＴ警部補は、戸惑う私をほっといて、由美を連れて建物の中に入っていっ
た。
そして何の表示もない部屋に入っていく。
仕方がないので、私も後に続いた。
部屋に入るドアは、二重になっていて、いかにも分厚く、防音効果もあるようだっ
た。
表には何も表札がなかったのに、部屋に入ると、確かに
『△△警察署　刑事課分室』という、汚れた木の看板がぶら下がっていた。
最初嫌がっていた由美も、これを見ていくらか安心したようだった。

部屋の様子は、どこかのマンション風で、小さなキッチンもあった。
カーペットが牽かれた部屋には、取調室のような机と椅子が置いてあり、
隣の部屋にはソファーとベッドがあり、仮眠も出来るようであった。
ただ普通の部屋と違うのは、窓が不透明で、格子枠まではめられていることだった
。
それはまるで、ここから逃げ出せないようにする為の用意のような気がした。
そして机のある部屋で、前回の続きの事情徴集が再会された。
前回同様、聞き手はＫ刑事で、私は調書担当、そしてＴ警部補は立ち会い人と
いうような立場のようであった。

「前にも言いましたように、今日は現場検証も行います。
　その為に、この分室を使うよう指示を受けていますので、協力して下さい。」
この３日間で、前回感じた怒りも収まったのか、由美はゆっくり肯いた。
「こちらのＴ警部補は、現場検証の立ち会い人です。」
Ｔ警部補は由美に笑顔で会釈し、それに対し由美も会釈で返した。
「それじゃ早速ですが、電車の中を再現するため、吊革に掴まって下さい。」
Ｋ刑事は由美に指で方向を指図した。
そこには、コンクリート製の天井に取り付けられたリングに通された、
ロープがぶら下がっていた。
由美は指示通りに、ロープの先端に作られた輪に、吊革を持つ時のように手を通し
た。
Ｋ刑事が由美の後ろに、Ｔ警部補は斜め前に立った。
・・・・いよいよ始まった。

「前回取らせていただいた調書に基づいて、実地に確認していきます。
　今日の服装は、実際に痴漢に遭った時と同じですね？」
「はい、そうですが・・・・。でも、実地に確認・・・？」
「私が痴漢の役で、調書が合っているかどうかを確かめます。」
「はあ・・・・、そうですか・・・・・。」
由美の声は、どことなく不安気だ。
「きゃっ！！」
いきなり由美が悲鳴を上げた。
見るとＫ刑事の手が、彼女のお尻の上にあった。
「落ち着いて！　検証のために再現しているだけですから。」
「でも・・・・、本当に触らなくても・・・・」
「あのね、現場検証というのは、実際に起こったことを、忠実に再現することに
　重大な意味があるんですよ。だから、貴女も協力して下さい。」
「は・・・・、は・・い・・・」

「いっ！　いやあっ！！」
今度は、手の平でお尻の肉を揉んでいる。
これも調書に書かれていることを、忠実に辿っていることになる。
「もう、うるさい人だ。おいっ、固定してしまおう。」
Ｋ刑事はＴ警部補に指示を出した。
するとＴ警部補は、ロープの輪に通した由美の手首を、抜けないように縛り、
もう一方の手までも、同じように縛り上げた。
ちょうど万歳をしたように、両手を上に上げたままとなった。
「いやっ！！　やめて下さい！！」
「貴女が素直に協力してくれないから、我々としても仕方なくするんですよ。」
「わ・・判りました。協力しますから、解いて下さい。」
「いや、この方が検証しやすいから、少しだけ我慢して下さい。」
由美は仕方なく、項垂れたままとなった。
しかし・・・・、次の瞬間、由美の目は大きく見開かれた。
ついに、狼が本性を顕わしたようであった。

見るとベテラン刑事の手が、由美のスカートの中に潜り込んでいる。
そして驚いたことに、検証役の警部補までが、胸を触っているのである。
「いやっ！　いやっ！！　やめてえ！！！」
「おい、Ｎ（私のこと）。現場の写真をしっかり撮っておけ！」
現場検証においては、克明な記録として、写真に残すことが重要である。
私は先輩のベテラン刑事の指示に従い、現場写真を撮ることに没頭した。
「俺達の顔は写すな！　痴漢されているこの子の様を撮れ！」
先輩達は手慣れたもので、ある時は由美の蔭に隠れ、
またある者は、さっとカメラに背を向けた。
そして痴漢されている女性の、涙に濡れた歪んだ顔だけが写し出される。

「お嬢さんや、こんなスケスケの服じゃ、ブラジャー丸見えじゃないか。
　こんな格好で電車に乗ったら、痴漢を誘発しているようなもんだよ。」
両手で由美の胸を揉み抱くＴ警部補が、厭らしい笑いを浮かべる。
「本当だよ。こんな短いスカートなんか、いつでも触って下さいと言わんばかりだ
。」
二人の男は、好き勝手なことを言いながら、由美の身体を使って、
現場検証を進めていく。
「いやぁ・・・いやぁ・・・・、おねがい・・・・やめてぇ・・・・・」
由美は涙声で懇願する。
「まだまだ終わらないよ。君が受けた被害を、全て確認するのが我々の仕事だから
ねえ。」
「でも・・・、二人・・・なんかに・・・、触られてません・・・・」
「お嬢さんは、満員電車に乗っていたんだろう？
　だったら、二人くらい痴漢がいても、不思議じゃなかろう？
　いやまてよ、気付いていないだけで、３人くらいに痴漢されてるかも知れんね。
」
「そ・・・そんな！　もう、帰して！　お願いっ！！」
３人がかりの痴漢と聞いて、由美は必死で逃げようとする。
そんな由美の姿は、可哀相とも思ったが、やはり彼らに逆らうことは出来ない。

「いつまでも、ぎゃーぎゃー叫いていると、現場検証を妨害したことになって、
　公務執行妨害で逮捕することになるかも知れんよ。」
「そうだよ、お嬢さん。ここは一つ我々に協力して、静かにしてくれんかね。
　もし逮捕されたら、証拠物件として、あの刑事が撮っている写真を
　提出しなければならなくなる。
　つまりこの写真は、警察内部だけじゃなく、検察局や裁判所まで行き渡るんだよ
。」
「そう、こんな写真もね。」
そう言うと、刑事は由美のスカートを、徐々に捲り上げ始めた。
「いやっ、いやっ、やめてっ！」
由美が体を捩って逃げようとするのを、横から羽交い締めにする。
スカートの下から、パンストにくるまれた由美の白い太股が現れてくる。
そしてついに、ブルー色が入ったビキニパンティまでもが露わになった。
私は夢中になって、由美の下着姿をカメラに収めていた。

「ほーら、こんな恥ずかしい姿の写真まで、ぜーんぶ提出するんだよ。
　これを内部で公開したら、独身警官たちのオナペット写真になるんじゃないか。
」
「いやー、それでは済まんだろうね。不心得者がいたら、雑誌社に売りつけるかも
知れん。
　やらせではない、本物の痴漢現場の写真だから、その雑誌も売れるだろうね。
　そうなったら、もう私らではどうすることも出来ん。判ったね？」
こうまで言われたら、由美もどうしょうもないと、観念したようだった。
－つづく－