もう二十年も前の話である。
その頃経営していた銭湯の番台に座っていると、美しい若妻が小さな男の子を連れて入りに来た。
地元の商店街で、家族で買い物をしているところを見かけたことがある。
際立って美しい女性だけに記憶に残っていた。
心が躍った。
銭湯経営に付随する特権とはいえ、番台のオヤジが女性客のカラダをジロジロ見るような真似をしては、店の評判を落として客の減少を招きかねない。
そこで番台では視線を下に落とし、上目使いで獲物の動きを追う。
幸い、何事にも口うるさい年輩の常連さんたちが多い夕方の時間帯としては珍しく、女湯の脱衣場には他に客は誰もいなかった。
男の子の服を脱がせた後、私の存在を気にするふうもなく、若妻は裸になった。
結婚前は銭湯に通っていたのだろうか、番台には慣れている様子だった。
そのとき、脱衣場をチョロチョロ動き回っていた男の子が番台のすぐ前で突然オシッコを漏らした。
若妻は「ごめんなさい、私拭きますから」と言って、全裸のまま前も隠さず番台に雑巾を取りに来た。
細身のカラダに抜けるような色白の肌。
端正で日本人離れした彫りの深い顔立ち。
乳房は小振りだが、乳首はツンと上向いている。
華奢な上半身に比べて肉付きのよい下腹部には薄めのヘア。
前付きなのか、ワレメのスジが顔を覗かせている。
番台に座るようになって十数年。
女性客の裸は見慣れていたはずなのに、美しい若妻の全裸を目の前にして堪らず勃起してしまった。
若妻は四つん這いになると、何と番台の方に尻を突き出すようにして床を拭き始めた。
小豆色のクリトリス、左右の卑猥なラビア、ぱっくりと口を開けたピンク色のヴァギナ、茶褐色のアナルが目の前に現れた。
裸の女性客が上体を深く屈めたときなどに陰部が見えることはあるが、これほどあられもない姿を番台から目にしたことはなかった。
しかも、それが美しい若妻なのだ。
「犯したい」と思った。
痛いほどに勃起したペニスを若妻のヴァギナに突き立て、欲望の白濁を一気に流し込みたかった。
だが、銭湯経営を生業としている以上、獲物のカラダに指一本触れることはできない。
突き上げてくるような疼きに耐えながら、目の前に剥き出しになった陰部と股間の向こうに悩ましく揺れる乳房をただジッと凝視していた。
男の子の手を引いて洗い場に入っていく若妻の美尻を見送ると、トイレに駆け込んだ。
ガマン汁にまみれたパンツは冷たく、精液の臭いがした。
瞼に焼き付けた陰部と揺れる乳房、正面から見た全裸の姿と美しい顔立ちを思い浮かべながら、続けて二度射精した。
トイレから戻ってみると、交代時間が来たのか番台には女房が座っていた。
お預けを喰ったようで、ひどく心残りだった。
その後、残念なことに若妻の姿をウチの店でも商店街でも見かけたことはない。
引っ越してしまったのだろう。
銭湯を廃業するまでの三十数年間、無数の女性客の裸を番台から拝ませて貰ったが、何度もオナニーネタにしたのは、あのとき目にした美しい若妻のあられもない姿だけだ。