ワタシにとっての初体験が…あの人なんて!
昨年就職して、ようやく1年が経った。
庶務課というのは、おおかた女子の集まり。
話題といえば、まさに人の悪口や男の話。
実は、ワタシ、23歳まで正真正銘の処女。
見てくれは、ごくごく普通。
今の女の子みたいに特に性的に興味もなかったし、焦った事もなかった…。
そこで、散々悪口の対象になっていた「窓際族」のMさん、50歳。
ワタシ、その人の事、他の人みたいに悪くは見えなかった。
ただ、ちょっと風体が良くない…という感じで、話をしてみると良い人柄が感じられた。
そして、3月に入った或る日の帰宅時刻、突然の雨が降って…。
その人が、自動車に乗せて送ってくれた。
純粋に、送ってくれただけだった。
そこそこにジョークを言うその人の一所懸命さになんとなく…惹かれる自分が居た。
いつも職場で話題になっている…その人の事を。
そして、何日か後に、その人に、送ってくれたお礼という事で、ハンカチをプレゼントした。
「こんな事しなくていいのに…。」
髪を掻くその顔は、クシャクシャに喜んでいた。
そんなふうな感じで、結局、ワタシの方から誘ってしまった。
Mさんは、頑なに拒んだ。
男性のそんな所に、女ってグッときちゃうみたい…。
ワタシ、何の経験もないのに、その人に抱きついて…。
そうすると、人生経験豊富なMさんは、ワタシをリードしてくれた。
いつも職場で話していた…イヤな女の部分を吐き出したい気分になった。
勿論、ワタシは殆ど聞くだけだったけれど…。
Mさんは、紳士的だった。
奥さんとは、別れたしまったというMさん。
そうか…と思った。
つまり、奥さんに逃げられたという事が、Mさんの悪口の根源だったようだ。
それは良いとして、Mさんとは不倫ではないけれど、27歳の差。
結婚…。
そこまでは考えていないけれど、恋人としては良いかな?