中学校に入学してまだ二週間程しか経っていないある夜、家路を急いでいた私は、
突然変質者集団の車に拉致されました。恐ろしさのあまり声も出せないまま、両脇
と足を抱え上げられ、ワゴン車の中に押し込まれました。車内で手錠をかけられ、
口に布のようなものを詰め込まれ、ひとりの中年男にきつく抱きしめられました。
車内にいた大勢の男達が私のほうに身を乗り出し、何か言っていました。ひとつだ
けハッキリ覚えている言葉は、「おまえはもう、死んだも同然だよ」という囁きだ
けでした。あの部屋に運ばれて行くまでの間、発狂しそうな恐怖に私は激し