緊縛が得意な人がいた。
その人はご主人様のたてたスレに募集で来てくれた人のなかにいた。
縛られる感覚は私には包まれる安心感しかなくて、それを求めにご主人様に内緒でその人に会いに行くようになっていた。
「もっとテンション強くして欲しい」
緊縛の強度を自分の心地良い加減にまで上げてもらったりしてた。
お互いにwin-winだと思っていた。
縛りたい人と縛られたい人だか
純粋に縄が好きだった。
ところが
何度目かの緊縛の後、目隠しをされ、身動きのとれない私の口にその人はいきなり咥えさせてきた。
洗われてもいないソレは臭いも何もかもおぞましかった。
私は、信じかけていたものがガラガラと崩れていく感覚だった。
抵抗虚しく。
同意もないままハメられた。
「こうやってお前は肉便器になりたかったんだろ、誰のでも良かったんだろ」と。
泣きながら抵抗するもむなしく。
…全ては後のまつり。
ご主人様が「縄だけで帰って来られますか?」と、心配されていた言葉の意味をその時になるまで理解できていなかった。