運命のイタズラという言葉では納得できないような出来事が過去にあります。そしてそれは今も克明に記憶に残っています。本当に小説のような出来事でした。
私は、幼いころ両親が離婚。父の顔を知らぬまま成長しました。
だから、父親に対する憧れみたいな感情が人一倍あったんじゃないかと思っています。そしてアルバイトで知り合った大人の男性に惹かれました。初めはただの≪おじさん≫でしたが、次第にその人の優しさに触れているうちに、自分がその人を好きでいることに気付きました。おじさんも、離婚歴があり、娘がいたけどもうずっとあっていないと言い、君みたいにカワイイ娘になってくれてたら嬉しいな~なんて冗談言ったり、そんな言葉や仕草がとても素敵に思えました。
だからお互いに好意を持っていることに気付いた私達は急速に親しくなりました。私の名前もオジサンの娘と同じ≪花音≫って名前で、2人で運命だね~って笑っていました。ただ、お母さんにはオジサンと付き合っていることがなぜか言えなかった。年齢差がその理由だったかも。
今思えばもう少しお互いの事情を知るべきだったと思います。
やがて、私とオジサンはお互いの愛情を知り男女の関係になりました。
そして、私の変化に気付いた母が私に彼氏ができたことを知り喜びました。が彼の年齢を告げると表情が険しくなり、彼のことを説明するたびに、不安になっていった母でした。
そして、私が彼と撮った写真を母に見せた時、世界が一変してしまいました。
母の言葉が幻のように聞こえました。
「母は何を言っているんだろう?」母の言葉は私の中で受け入れ難く、信じられませんでした。一生忘れられません。
「お父さん、その人はあんたの本当のお父さんだよ!」