高校二年の時でした。三年前です。学校帰りに或る地下街の書店に立ち
寄り、雑誌などを見ていました。すると後ろを通過した人が、ぶつかる
ふりをしてスカートのお尻に触っていったんです。ドキッとして振り返
りました。その人は顔も向けずにすたすた行ってしまいました。20代
くらいの痩せた人でした。
私はごくまじめな女の子として通っていました。身長は158センチほ
どで髪はセミロング、近眼なので銀縁フレームの眼鏡をかけていました。
あだ名は「セン子」。女性教師みたいなイメージなのだそうです。自分
でもブサイクとは思ってませんが、どちらかと言えばマジメっぽいって
ことなのでしょう。でも内心はけっこうエッチなことにも興味がありま
した。読書好きなので「O嬢の物語」とか「エマニエル夫人」「イマージ
ュ」といった翻訳物を親には内緒で読んでいました。
ほんとはマドンナメイトやフランス書院も興味があったのですが、未成
年の女の子にはちょっと手が出ません。私の学校の制服はグリーン系の
ブレザーとチェックのスカート、紺のハイソックスです。私の場合スカ
ート丈はけっこう短く、少しむっちり気味の太ももがかなり見えました。
でも学校の仲間にはもっと短い子もいるので、そんなに目立つ方でもあ
りませんでした。
でもこのときは意外な場所でお尻を触られたためか、変にドキドキして
いました。おまけに少したったらまた近づいてきたのです。私はどうす
るかと思ってそしらぬふりをしていたら、また触りました。しかもさっ
きより手に力が入っていました。私のドキドキはさらに高まりました。
そこで少し棚を移動してそれとなく様子を見たら、やはり店内のちょっ
と離れたところからまだ私をうかがっているようです。そこで私はちょ
っと悪戯っ気をおこして、そのまま店のトイレに入りました。個室でス
カートの下に穿いていたスパッツを脱いでバッグに納めました。スカー
トの下はストライプ柄のショーツ一枚になりました。トイレを出ると、
あの人はそれとなく私を見張っていたようでした。そこで私は彼がいる
近くの書棚に行き、何の関心もない一冊の本を取り出して読むふりをし
ました。するとすぐにあの人が近づいてきました。そして背後に来たと
き、また握り拳でお尻に触れました。
でもその瞬間手がぴたっと止まったように感じました。さっきと感触が
違うことに気づいたのでしょうか。さらに大胆にも体の動きも止め、そ
のまま手をお尻の上に滑らしたのです。時間にすればすごく短かったは
ずですが、私には長く感じられました。彼はすぐに私から離れていきま
した。
いままで痴漢にお尻を触られた経験はありましたが、このときのような
ドキドキ感はありませんでした。彼はずっと奥の書棚へ移動してしまい、
私はプチ興奮状態で落ち着かないまま文庫本を一冊買って書店をあとに
しました。
すると案の定あの人がつけてきたのです。私は気づかないふりをして歩
いていました。彼はだんだん距離を詰めてきたようです。そこで私は地
上へ抜ける階段の一つを登り始めました。すると後ろでタタタと急ぎ足
が追ってきました。こういう階段はわりと急勾配なので下から見えやす
いのでしょうね。そこで私はわざと足取りをゆるめて登り始めました。
下の方に彼の足音が聞こえ動きがそれとなく感じられました。
そこで私はいきなり方向転換して階段を降りだしたのです。あの人の少
しあっけにとられた顔が分りました。そのまま階段を下りきり、左へま
がりました。あとはドキドキしながらいちもくさんに小走りで他の階段
から地上へ出て、バスに飛び乗って家に帰りました。
その後私は眼鏡をやめ、コンタクトに変えました。スカート丈はそのま
までしたが、ショーツの上にスパッツを穿くのもやめました。高校を卒
業するまで町でよくスカートのぞきをされたようです(知らずにのぞか
れていたこともあるから)。ただしあの時の人に再会することはありま
せんでした。