ずいぶん前のことです。父が亡くなって母は私と姉を1人で育ててくれました。でも1人で育てるのは大変だったのだろうと思います。祖父母もなく頼れる人はいませんでした。
母がおかしな宗教にのめり込んでいくのを何の疑問ももたずにいた私もバカだったのでしょう。あれはまだ3年生のときでした。母はよく私たちを連れてお祈りや説教などを聞きに行くようになりました。
5千円のお札を買って願掛けしながら何かを唱えると誰かに罰を与えることが出来るとか、お香を舐めて邪気を払うだとか、いかがわしい所でしたが母は盲信していました。ただバチや先見とかはよく当たっていたので偶然にしろ弱った母が盲信してしまうのも仕方なかったかもしれません
ある日そこの偉い信者さん達(呼び名がありましたが信者とだけ書きます)がうちに来ました。母は嬉しそうにしていました。ただ誰かに呪われているからお祓いをしなくてはいけないみたいな事だったはずなのに、どうして母があんなに喜んだのかはよく分かりません
母と信者さんの1人が出て行きました。あと2人の信者さんと私と姉は家で待っていました。そんなことが3回ほどあった後、私もお祓いをすることになりました。お祓いの内容は絶対に口外してはいけません。もしも口外すると呪いは何倍にもなって私やお姉ちゃんや母にまで及ぶと刷り込まれました。
偉い信者さんの言うことはなんでも聞かなくてはいけませんでした。お祓い中に何度も何度もひどいことをされました
子供にお祓いができる偉い信者さんは3人で日によってかわりました。月に2度3度とお祓いがありました。方角がどうとかで、ベランダでお祓いする日もあれば私の部屋だったりデパートの障害者用トイレのこともありました。お祓いの方法は色々とありました。
私がお祓いされている間は母と姉は教会に行っていました。姉もお祓いをされましたが一緒にお祓いしたのは1回だけです。おそらく姉はあれが初めてだったはずです。信者さんの腰の動きに合わせてお姉ちゃんの泣き声が響きました。
7年間そこの宗教にのめり込んでいた母ですがある日大喧嘩をして脱会しました。今は別の宗教に入っていますがそこはお祓いなどしないので精神の安定になるならと何も言わずにいます。