タオル一枚で一階に降りると階段左脇カーテンの向こうがお店、階段正面が共用トイレ。私は右の浴室に駆け込みました。そうです。私の家は脱衣場が無いのでした。
浴室で洗髪中も廊下で頻繁にお客さんの出入りが…バタン、バタン、と何度もトイレのドアの音がします。もっと小さい時など酔ったお客さんがトイレと間違えてドアを開けて入って来た事もありました。だから慣れっこになってたし、今年から浴室のドアに内鍵も付けたから平気でした。体も洗って湯舟に入って温まってると浴室のドアをガタガタする音が。『また間違えたお客さん?』と思い息を潜めていたらしばらくガチャガチャ揺らしてたけど、すぐに静かになりました。でも同時に浴室の電気も消されて真っ暗に。
私はビックリして湯舟から飛び出し、すぐにでも廊下にある照明スイッチを点けたかったけど廊下にいる誰かが居なくなるまで待ちました。でもまだ居るのか居ないのか気配が判らなくてしばらくドアに耳を当て待ってました。湯上がりの裸のままで体が冷めてトイレにも行きたくなったけど、我慢してました。しばらくしてお店側からカーテンの開け閉めと足音が聞こえトイレに入って行く音も聞こえたので、浴室の前に居る人も居なくなったと思いました。トイレのお客さんが出て行き、カーテンの閉まる音を確認して私は浴室のドアを開けて廊下のスイッチに手を伸ばし電気を点けました。明るくなった浴室で私は再び湯舟に入りギリギリまで体を暖めるとタオルで体を拭きトイレに駆け出しました。もうオシッコの限界でドアノブに手を掛けた時、お店側のカーテンが開き一人の男性が入って来ました。