私は三年の時、父の都合で都内から神奈川県に引っ越しました。引っ越して初めての夏休みに転校前の学校の友達に会いに行く約束をしました。そして私は新しい学校の友達と溝の口で急行電車に乗りました。途中乗り換えの予定の話をして『面倒で遠いねー』とかお喋りをしてました。
やがて電車が二子玉川を過ぎて地下に入ると私達は席から立ち運転席が見える窓にしがみつきました。運転手の操作やトンネルの景色に夢中になってると友達が私の腕をトントン、と小さく叩きました。振り向くと友達は人差し指で『シーッ』として右後ろを目配せしました。