実は、私の親が借金に追われています。
バブルが弾けて、私の父の経営する工場の状態が悪化。
潰せば良かったのだけれど、従業員の家族を考えた温情社長が裏目になってしまった。
借金の為に借金をし、通帳にお金が貯まる事は一切なかった。
借金のカタに私を渡せと、毎日のように家に来る或る組の者らしき人間達。
父は一所懸命に働き、母も父同様に。
でも、リストラだけはできない…と父は、必死になって頑張っている。
私は、そんな父の為に、体を売っても良いと言った。
父は、私を数秒見つめた後に、私を殴りつけた。
「おまえに、そんな事だけはさせない!」
そして、初めて、父の泣き顔を見ました。
外形は特別良くないけれど、一人の男として、人間として、私は父を尊敬していた。
その父が初めて見せた泣き顔。
つまり、悔し泣きだ。
私は、そんな父の姿を見て、私も泣いた。
そして、蹲る父に寄り添い、父を抱きしめるように…。
近親相姦。
実情はそんな関係になってしまった。
体を求め合うというよりも、やり切れなさを分かち合うように、私と父は抱き合った。
雑誌、ビデオ…そんなモノに描かれたセックスのいやらしさはなかった。
父は、私を抱き、私はそんな父を受け入れてしがみついていた。
恐らく、ときめきや甘い雰囲気など一切なく、私は処女を父に捧げた。
畳の上に広げられた布団には、私の血がしたたり落ちていた。
悪かった…。
父は、私を見られない様子で謝った。
私は、謝らないでいいの…と言った。
私は、学校を休学して仕事をしようと思った。
勉強はいつでも出来る。
今、私に出来る事をしようと…。
父の生き方を信じて。