34才の主婦です。この不景気の中、主人が過労で倒れ長期入院を言い渡され、
義父と、4才の娘、智子を養ってゆく為働かなければなりませんでした。
お嬢様育ちで、外で働いた経験も無い子持ちの主婦を雇ってくれる所は有りませ
んでした。事業に失敗し、殆ど寝たきりの父にも相談できず困っていたんです。
そんな時、主人の古くからの友人、杉本さんが家政婦さんのお話を持ってきて
下さいました。私は、杉本さんの事、好きじゃ有りませんでした。家へ良く飲みに
来られていたんですが、酔うと必ず厭らしいことを言って私を困らせるんです。
お酒に弱い主人が、酔いつぶれ2Fの寝室に行って終っても帰ろうとせず、私を
相手に猥談をするんです。それも、主人が酔いつぶれ2Fに寝に上がると、突然
酔った振りで、耳にしたことも無い下品な事を言ったり、私のお尻を撫で回し始め
たり、と遣りたい放題の悪戯を繰り返します。主人に相談しても、酒の上の事と、
相手にもしてくれません。でも、主人が倒れたときも親切に病院まで紹介して、
入院の手続きから、送り迎えまでして下さった事も有り、信用して終ったんです。
お給料も、私みたいな何も満足に出来ない主婦にとっては法外とも思える額でし
た。義父と娘の智子を抱え、路頭に迷っていた私には、救いの神に思えました。
でも、世間知らずの私が考えるほど甘くは有りませんでした。相手は70才を
越える資産家のお爺さん。既に隠居の身で悠々自適の暮らしをされているので、
身の回りのお世話と家事一切を遣って貰えれば良いとおっしゃるのです。
但し、今から思えば、残酷で忌まわしい条件を付けられたんです。
このお爺さんは、変態としか考えられない異常な性癖をお持ちでした。
”お仕置き癖”です。家政婦のミスを見つけてはお仕置きされるんです。その内容
は、お仕置きなんて生易しい物では有りませんでした。明らかに性的な虐待、拷問
に近い凄惨な物でした。
でも、藁にもすがりたい思いの私には、杉本さんとお爺さんとの邪で計画的な
罠なんて考えも及びません。<これだけのお給料を頂くのだから、どんな辛い事も
我慢して一生懸命お勤めして家族を養っていかなきゃ。>その事だけで頭が一杯
でした。