夜の繁華街で、裏道から裏道を通り抜ける。長い髪をアップにまとめて、地味な私には似合わないような薄めでインナーや下着が透けて見える露出の多めの服で歩く。
運のいい時には誰にも声かけられずに、無事駅までたどりつける。そうではない時には、声のかけてきた下心いっぱいの男性たちに手を引き込まれて、怖さにたじろぎながらついていく。
強めのお酒を飲んで、気がついたら、服を脱がされて、激しく犯されている時もあれば、優しく介抱されてから、抱かれる時もある。それは出会った人次第。
私は私から私を奪って、声をかけてきた人に身を委ねることで、心のバランスを保っている。
私は弱肉強食の世界で負けてしまって、肉食動物に喉元咬まれて押さえ込まれてむさぼられている哀れな雌鹿に成り下がって、危険な快楽に身を任せている。