こんなとこに書いて同じような奴のオカズになるのもバカみたいだけど。
11歳だったよ。
小学校の五年生だったよ。
運動会で、ずーっとあたしを撮影してるジジィがいたんだよ。
あたし人懐こくてちょっとぼーっとした子だったからさ、帰り道でそいつに声かけられたときも何も疑わなかったんだよ。
車に乗「せてもら」ってさ。
家まで送ってやるって言ったから。
道順ていねいに説明して住所言って誉められていい気になって電話番号なんか親の勤務先まで教えたよ。
うちの親は共働きで仕事大好きで娘の運動会だって二人とも来なかった。今から思えば、あのジジィ、昼食を独りで摂ってる子を探したんだな。
で、うちだよ。
客間に通してお茶を出そうとしたら台所に来たよ。
一緒に淹れたよお茶。ジジィ後ろから覆い被さるみたいにしてさ。
背中に何か当たるのとジジィ鼻息荒いし体温高いんで心配したんだよ、具合悪いの?って訊いたんだよ。
くしゃみが出そうなだけだって言われて納得したよ。ほんとバカだよ。
お部屋見せてよって言われて、お茶とおやつ持ってあたしの部屋に連れてったよ。
おやつ!ジジィのリクエストどおり、バナナとチュッパチャップスと魚肉ソーセージ!本当に、あの場に居たらあたし自分の首しめていっそ殺してやりたい。
あたしの部屋って二階で、ジジィ、階段を上るときカメラ回してた。あたし体操服のままだったから気にしなかった。スカートはいてたら不審に思ったのにな。
ジジィあたしの部屋ぐるっと一周。教科書とかランドセルとか名札とか一生懸命撮影してたよ。
あたし自分にお客さんて初めてで嬉しくてしょうがなかった。
そんでマジに「初めて」の「お客」だったんだから本当しょうがないよな。
ダメだ吐きそう