33歳の既婚です。
ここで書くのは、私が29歳の時の話です。
結婚後、旦那が親が経営していた会社を引き継ぎ、私は、財務関係を任されました。
引き継いでから知ったのですが、経営状態があまり良くなく、何とか、旦那と立て直しに努力してきました。
転機は、旦那が経営者向けのセミナーで知り合った会社の社長(50代後半)。
懇親会で意気投合したことで、少し仕事を回して、期待に応えようと一生懸命にやった結果、信頼を勝ち取りました。
その後、この会社が大口の得意先になってくれ、会社が安定しました。
私がその社長と初めて会ったのは、この取引先主催のパーティに招待され、旦那と参加した時でした。
その時は一言、二言話をしただけでしたが、思っていた感じとは違い、良い感じはしませんでした。
旦那が、必死にその社長の懐に入る営業活動を続けていくうちに、仕事だけでなく、プライベートも親密になっていきました。
そんなある日、社長から、お互いの夫婦で温泉旅行に行かないか?という誘いが来ました。
大口の取引先なので、無下に断るわれない、しかも、旅行費用も出してくれると言います。
旦那は行くべきと言うし、義父母も同意見で、行くことにしました。
そして旅行当日、待ち合わせ場所の駅に向かうとそこに来たのは、社長一人。
え?社長の奥さんは?
風邪を引いて同行できなくなったと言われました。
断るわけにもいかないので、社長、妻、私の3人で旅行することになりました。
社長が手配したのは、和風な感じの旅館でした。
仲居さんに案内されてついて行くと、到着したのは一軒家のような別館でした。
「二世帯家族のご旅行にお勧めなんですよ」
そう言われ、あ~、片親と子供夫婦の旅行だと勘違いしているのだと思いました。
和室2部屋に、寝室が2つ、客室露天風呂がありました。
寝室に荷物を置いた時、旦那に社長がいる部屋で客室露天風呂は…と言いました。
旦那も分かってくれ、社長にその旨、伝えると、社長も理解してくれました。
夕飯まで少し時間があるので、それぞれ、本館の大浴場に行くことにしました。
私が行った時、人が誰もおらず、大浴場を一人で占有して良い気分になりました。
入浴を済ませて戻ると、ちょうど、夕飯の時間。
仲居さんが料理を運び、目の前のテーブルには海の幸・山の幸が所狭しと並べられました。
私は、気を利かせて社長にお酌をします。
社長は、注がれた酒をぐいっと飲み干しました。
「奥さんもどうかね?」
「ありがとうございますいただきます」
妻はあまり飲める方ではなかったのですが、場の雰囲気を壊さないように、社長から返された盃を口にしました。
「いい飲みっぷりじゃないか。どんどん飲んでくれ」
そう言われました。
社長は、旦那に酒を勧めます。
「君もどんどん飲め」
「はい」
「遠慮することはないよ」
一時間ほど経ったでしょうか、食事もほぼ終わり、旦那が横になって寝入ってしまいました。
開けた日本酒の瓶を残し、仲居さんに料理を下げてもらいました。
私も眠くなり、ウトウトし始めました。
気が付くと何か違和感。