銭湯で番台の男に犯されました。
昭和55年のことです。
当時、私はお風呂のないアパートに住んで、近所の銭湯に通っていました。
その日は帰りが遅くなり、夜の11時過ぎにそれまで行ったことのない、アパートから1キロほどの銭湯に出かけました。
普段利用している銭湯は遅い時間になると、勤め先のお店に昼間、毎日のようにやって来る経営者の男の人が番台に座っていて、顔見知りだけに裸を見られるのが恥ずかしかったからです。
この羞恥心が、私のその後の人生を暗転させました。
銭湯に着くと入口の電気は消えていましたが、中はまだ明るかったので、ダメ元で女湯の扉を開けました。
番台の男が「営業時間は終わったけど、掃除の間はまだいいですよ」と答えたものですから、ラッキーという気分で誘われるように中に入りました。
男は代金を受け取ると、男湯の方に姿を消してしまいました。
女湯に客はなく、男湯からも掃除機をかける音以外は聞こえてきませんでした。
洗い場は古く、シャワーもなくカランだけでした。
長居しては悪いと思い、そそくさとカラダと顔と髪を洗ってお湯に浸かり、洗い場を出ました。
男はすでに女湯の脱衣場の掃除を始めていました。
正面から裸を見られたくないので、男にずっと背中を向けていたのが災いしました。
バスタオルで髪の毛を拭いていたとき、いきなり襲われました。
男は全裸の私に背後から抱きつくと、膣に指を入れてきました。
男は悲鳴を上げる私の口を片手で塞ぎ、立ったままの姿勢で強引に挿入しました。
激痛が走りました。
男は私の乳房を揉みながら下から突き上げ、すぐに射精したようでした。
でも、それだけでは飽き足りないのか、脱衣所の床に私を転がして覆い被さると、再び挿入して、乳首を吸いながら執拗に私を犯し続けました。
何度か射精してやっと満足したらしく、男は私から離れ、男湯の方に姿を消してしまいました。
上体を起こした私は脱力感にとらわれたまま、男が膣内に放出した白濁の精液が股間から床にゆっくり垂れていく様子をボンヤリ眺めていました。
ようやく立ち上がると、もう一度洗い場に戻り、カランのお湯で精液にまみれた膣と、唾液が付着した乳首を丹念に洗いました。
膣も乳首も出血しているらしく、お湯が滲みました。
「もう、どうでもいいや」といった気持ちで、男が洗い場に入ってきて、再び犯されることを想像しても怖くはありませんでした。
脱衣所に戻ると、床に垂れた精液の臭いが鼻をつきました。
服を着て外に出たとき、星空がひどく空しく感じられたことを今でも覚えています。
翌日診察して貰った産婦人科の先生からは警察に告訴するよう勧められましたが、どうしても決心がつきませんでした。
妊娠しなかったことと、悪い病気を移されなかったことはせめてもの救いでした。
それでも、その後はセックスが受け容れられなくなりました。
恋人とは別れ、独身のまま還暦を迎えようとしています。