「失礼します」別室で仕事している職員に、要押印の書類を手渡す。「路乃さん、判子もらいにきました。」「はいはい、いつもどうもー」引き出しをがさがさ、判子を探す。自分は朱肉を相手の近くに動かす。黙礼しながら押印する路乃さん。一呼吸おいて判子をしまいながら「木野君、・・・。晒して興奮したいの?」突然そんな事を聞かれても、反応できず「・・・はい?」路乃さんはひきつったような、複雑な表情で自分を見ている。「写真、トイレの」なんとなく、何のことか分かった。「・・・・」何をどうしたらいいのか、困った。言葉が出ない。目をそらす。「分かる人は分かるかも。私は言わないけど」「あー。・・・?」頭が回らない。本当にそんなことがあるだろうか。「路乃さん、そんなサイト見るんだー」暗に認めてしまった。様子をうかがうと、落ち着きなく机の上の物を弄んでいる。「たまたま・・・。見ちゃっただけ」沈黙。まさかこんな事になろうとは。お互いに身動きがとれない。「・・・」「・・・」
「まあ、趣味に文句つけないということで。気をつけてお楽しみください」「いやいや趣味と言うほどのものではなく・・・」「頑張ってー」「はっは、何をですかー。失礼しましたー」笑ってごまかしながら立ち去りました。
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