窓の外に広がる無数のビルの窓。その一つ一つが、私のあられもない姿を捉えるレンズのように思えてきます。
「あそこのオフィス、まだ明かりがついてる・・・。誰か残業してて、ふと顔を上げた瞬間に私を見つけたかも」
「あのマンションのベランダに人影が見えた気がする。双眼鏡で、私の指の動きまで追ってるんじゃない?」
そう考えた瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
それは、自分のプライバシーが夜の街に溶け出し、見ず知らずの他人に「消費」されているという、暴力的な感覚でした。
私は窓ガラスに、熱を持った自分の寄りかからせました。
冷たいガラスの感触が、火照った体に心地よく響きます。
窓の外からは私はどう見えているのでしょうか。
指で自分を弄り、視線の主を探すように虚空を見つめる、淫らな生き物。
「もっと見て・・・。もっと」
声に出した途端、さらに理性が焼き切れました。
誰かに見られているという確信が、自分自身の指をさらに加速させました。
頭の中では、どこか遠くのビルから双眼鏡で私を覗き込み、息を呑んでいる男の姿を勝手に作り上げていました。
彼は私のあられもないポーズに興奮し、私と同じように、窓越しに自分を慰めているのではないか。
視線という名の「指」で、私の全身を陵辱しているのではないか。
スカイツリーの光が、網膜の裏側で激しく明滅します。
視線に晒されているという極限の露出狂的興奮が、私の脊髄を駆け抜けました。
脳が真っ白になり、指先が激しく痙攣します。
窓ガラスを指でかきむしり、私は二度目の絶頂を、秋葉原の夜空に向かって吐き出しました。
しばらくして、荒い呼吸だけがバスルームに響きます。
私は力なくバスタブの床に崩れ落ち、そのまま冷たいバスタブに体を預けました。
明日の朝、このホテルを出て駅まで歩くとき。
すれ違う誰かが、昨夜の「私」を知っているかもしれない。
そんな、一生消えない恥辱の予感に震えながら、私はしばらく、立ち上がることができませんでした。
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