友達の恵子ちゃんと一緒に避暑地で有名な温泉街のお土産屋さんで住み込みのアルバイトをした。
朝8時から夜8時まで、私は店頭の売り子として、恵子ちゃんは奥の食堂で調理補佐を担当した。
夏の期間は、涼を求めて沢山の観光客で賑わう。
1日中働いて、夜の賄いを食べて片付けしたらお風呂入ってバタンキューで眠る、
物置部屋を私達の為にやっと布団が二枚並んで敷けるだけの部屋。毎日、疲れて、そんな狭さも感じ無いそんな日々だった…
そんな忙しさにやっと慣れてきたある夜、
それぞれお布団に入り、私はお店から持ち込んだ雑誌を見、恵子ちゃんは日課の日記を書いて、
「そろそろ寝ようか」と灯りを消した。
私は、いつになく寝苦しい夜に眠れずに居た、身体は疲れてるのに頭が冴えてどうしようもない…
ふと昼間、お客さんにからかわれた事を思い出す…
お土産を手にしたおじさんに「お姉さんこれいくら?」「お姉さんはいくら?可愛いね」と、その場は笑ってごまかしたけど、なんだか気だるく居たたまれないそんな思いにかられた事を思い出していた、